2020.2.1

派遣社員は就労先で面接がある?

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派遣社員として仕事をスタートするとき、就労先との面接があるのかどうかが気になるかもしれません。面接があるのなら、受け答えや服装などで失敗しないように事前によく準備しておきたいと思うことでしょう。そこで、この記事では派遣先との面接があるのかどうかや、面談時に気をつけたいポイントについて詳しく説明します。

1.派遣先との面接はある?

企業に就職する際、一般的には書類応募をして面接という流れで、結果に応じて合否が決まります。しかし、派遣社員として就業する場合は少し異なります。派遣では、法律により派遣先と面接を行うことは禁止されているのです。その代わり、派遣の担当者と一緒に派遣先へ行き、職場見学や面談(顔合わせ)をすることがあります。これから働く職場を実際に見て、派遣先の担当者と顔を合わせておくことでスムーズに働き出せるようにするのです。

派遣において面接が行われない理由は、労働者派遣法という法律が関係しています。派遣社員は派遣会社との間で雇用関係にあり、派遣先の企業に雇われているわけではありません。そのため、派遣先の企業が自社に派遣される人材を選ぶ権限はないのです。派遣会社と派遣先の企業の間の交渉や契約により派遣労働が成り立っているため、派遣先の企業が派遣社員に対して面接は行えないようになっています。

派遣面接が禁止されているといっても、どんな人が派遣されてくるのか派遣先が事前に知ることまでは禁止されていません。行ってはいけないのはあくまでも「選考」行為です。面談をして業務を始める前にお互いが顔を合わせても、選考の要素が含まれていなければ、特に法律上問題とはならないのです。面接の代わりに行われる面談は、すべてのケースで実施されるわけではありません。単発で働く短い期間の仕事においては、ほとんどのケースで面談なしにすぐに働き出すことになります。

2.派遣先と行う面談とは

派遣先と行う面談の目的の一つは、派遣社員が派遣先の社内の雰囲気をつかめるようにすることです。職場見学でも社内の様子を知ることができますが、面談があれば具体的な仕事内容や就業時間、休憩時間などについて派遣先の担当者と直接話し合って確認できます。気になることや不安なことがあれば、質問をすれば回答も得られます。イメージと違ったときなどは、派遣社員のほうから断ることも可能です。

面談は、派遣社員が持っている知識やスキルを伝えてアピールする場ともなります。面談には派遣会社の担当者も同席し、派遣社員の職務経験やスキルについて説明してくれます。紹介する派遣社員が、派遣先の求めている人材に当てはまる即戦力であることをアピールしてくれるのです。これまでのキャリアや経験などについて派遣先の担当者が把握してくれるなら、職場でスキルや能力を活かしてバリバリと働きやすくなるでしょう。

面談を行うことは、ほかにもメリットがあります。どんな人が職場に働きに来るか事前に知っておくことで、派遣先は派遣社員を受け入れる土壌を整えやすくなります。性別や年齢など派遣社員についてのある程度の情報を社内に知らせ、配慮するようにと周知してくれることもあるでしょう。

3.面談の内容

面談では具体的にどんなことを行うのでしょうか。大まかな流れを知るために、面談の一般的な内容を見ておきましょう。まず、派遣先と約束した日時に派遣会社の担当者と一緒に派遣先へ行きます。面談が始まる15~20分ほど前に集合することが多いです。派遣先の企業の玄関やロビー、最寄り駅などで待ち合わせをします。派遣先の担当者と出会ったら、まずはきちんと挨拶をします。氏名を名乗って「本日はどうぞよろしくお願いいたします」と挨拶しましょう。面談会場に通されたら、すすめられた場所に着席します。

面談は、基本的には派遣社員ではなく派遣会社の担当者が主体となって話を進めます。ただし、特に伝えておきたい経歴やスキルなどがあれば、積極的にアピールするのがポイントです。派遣先から業務内容などを教えてもらうときは、きちんと耳を傾けます。質疑応答の時間では「パソコンスキルはどのくらいですか」「残業は可能ですか」などと質問されることがあるので、丁寧に回答しましょう。こちらからも質問したいことがあれば、相手からの質問が終わった後に尋ねてみることができます。通常、面談はそれほど長いものではなく、30分前後で終わります。面談が終わったら、お礼を述べて退席するという流れです。

4.面談時の適切な服装は

面談で失敗しないために大切なポイントは、きちんとした服装をすることです。面談は合否を決める選考面接ではないとはいえ、あまりにもカジュアルな服装で行くのはふさわしくありません。面談ではマナーを守る人かどうか、社会人として常識のある人かなど、働くうえで最低必要な要素を満たしているかどうかがチェックされています。初めて会う人の第一印象はどんな服を着るかによって決まるともいわれるほど、服装と身だしなみは重要です。清潔感を重視して、相手に不快感を与えない装いをしましょう。

具体的には、スーツまたはオフィスカジュアルで行けば問題ありません。きちんとした服装をすることで、「この企業で働きたい」という熱意や真剣な思いを伝えることができます。オフィスカジュアルとは、ジャケット着用が基本のスタイルです。男性であれば、ジャケットに襟付きのシャツとスラックスまたはチノパンを合わせます。女性の場合は、ジャケットにシャツまたはカットソー、ひざ丈スカートまたはロングパンツを合わせましょう。そのままオフィスで働いても恥ずかしくないような、きちんとした服装をするのがポイントです。

避けたいのは、ジーンズやTシャツなどのカジュアルな服装や、ミニスカートや短パン、ノースリーブなどの露出の多い服装です。夏場であっても、露出の多いサンダルやミュールなどの履物は避けましょう。スーツを着るとしても、背広やシャツがよれよれでは清潔感やキチンとした印象を与えることはできません。ネクタイも、よれたり曲がったりしていないか事前に確認しておくと安心です。

5.面談で不採用になることはあるのか

面談は選考の場ではないということは、面談の結果不採用になることはないということなのでしょうか。すでに説明した通り、派遣先の企業が派遣社員を選ぶ権限はないので、派遣先が断ることができません。とはいえ、派遣先が「なるべくよい人材を派遣してほしい」と思うのは当然のことです。そのため、あまりにもマナーに欠けた行動や常識から外れた行動をすると、受け入れてもらうのが難しくなってしまうかもしれません。面談ではマナーを守り、面接と同じようなきちんとした振る舞いをしましょう。

一方、面談をした結果、派遣先での業務にふさわしくないと派遣元が判断することはあり得ます。派遣先が要求している水準にスキルや経験が達していない、派遣先の職場環境が派遣社員には適していないなどという理由で派遣元がふさわしくないと判断するケースです。派遣元の判断により面談の結果不採用となる場合は、法律上特に問題はありません。面談は派遣先の選考の場ではないとはいえ、面談の結果不採用となるケースもあるのです。

大切なポイントを押さえて派遣の面談を成功させよう!

派遣先との面談の場では、「この人にうちで働いてほしい」と思ってもらえるようにすることがポイントです。そのために、アピールできる職歴やスキルについて、派遣会社の担当者と事前に話し合っておきましょう。また、当日はきちんとした服装をし、マナーを守ることも大切です。派遣先の職場環境を事前に確かめながら自分のできることをアピールし、派遣の面談を成功させましょう。