2020.8.21

製造業の製造スタッフからキャリアアップするには?キャリアの道筋を紹介

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製造業は、私たちの日々の暮らしを支えるさまざまなものを作る仕事です。ニーズの高さからスタッフ募集の広告を目にする機会もよくあるため、工場で働くことに興味を持つ方もたくさんいるでしょう。求人広告を前にして思いを巡らせることの1つに、キャリアアップがあるのではないでしょうか。そこでこの記事では、製造業におけるキャリアアップの道筋についてまとめました。

1.製造の現場はどんな役割の人がいるの?

製造業では具体的にどのような仕事をすることになるのでしょうか。この段落では、モノづくりの現場で働いている方々の職種を紹介し、それぞれの業務内容や役割などについても説明します。

1-1.製造スタッフ

製造業といっても、扱っているものは多岐に渡ります。コンビニやスーパーで売られているお弁当、パソコンやコピー機のようなオフィス機器、さらには医薬品や自動車などといった、ありとあらゆる製品が製造業で作られているのです。生産しているものは違っていても、製造スタッフが従事する作業の流れについては共通しています。部品の加工をおこなったりパーツを組み立てたりして、実際に製品を作り上げるのが製造スタッフの仕事です。

製造業の多くはライン生産方式(ライン作業)を取り入れています。製造スタッフをライン化して配置し、流れ作業で製品を製造する方式です。各製造スタッフは、製品を作る工程の一部だけを担当します。自分がおこなう作業を覚えてしまえば務まるため、未経験の方でも安心して就ける仕事でしょう。製造業で働き始める方は、製造スタッフとしてスタートするのが一般的です。雇用形態については、非正規から入る方も珍しくはないようです。

1-2.製造リーダー

製造リーダーは、製造に関わる組み立てや加工などの作業に加え、製造スタッフの管理もおこないます。つまり、製造リーダーに就いた方は、チームや製造ラインに従事しているメンバーのマネジメントする役割も担うのです。チームが従事している業務が問題なく、スムーズで安全に進むように導きます。現場全体の様子をしっかりと把握している方でなければ務まりません。なお、製造リーダーというポジションですが、必ずしも正社員でなければならないわけではありません。正社員でなくともやる気があれば、製造リーダーを担当させてもらえるチャンスに恵まれます。

1-3.品質管理

製造された製品をチェックするのが品質管理の業務です。スタッフの手によって仕上げられた製品が一定のクオリティをきちんと保っているかどうか、会社で定めた規格を満たすことができているか、動作についてはどうだろうかなど、さまざまな角度から切り込んで点検します。品質管理の担当者は、製品の点検にツールを用いる場合もあります。たとえば、肉眼でチェックするだけではなく、顕微鏡や計測用の機械を使用するのです。また、検査施設で製品の点検作業をおこなうこともあります。

1-4.生産管理

生産管理の担当者は、製造の効率をアップさせるために尽力します。製品を効率よく生産する方法を考えて、それを現場に導入するのです。ただ、いくら効率よくといっても、製品の生産数だけをクローズアップするのではありません。たとえ短期間のうちに数多くの製品を完成させることができたとしても、品質がキープできなければ意味をなさないからです。その逆もしかりで、クオリティを重視するあまり生産性がおろそかになってしまうと、やはり企業として成り立たなくなります。生産管理には、効率と品質の両方が求められるのです。

そのため、一般の製造スタッフよりも現場について熟知し、広く高い視点から観察する必要があります。深い専門知識をフル活用しながら現場の状況を分析し、製造の効率性を真の意味で高めます。

1-5.技術開発

技術開発は、製品を生産するための新しい技術を開発します。1つの製品を完成させる工程に直接関わる業務ではなく、新しい製造方法を追求して作り上げるのが仕事です。技術開発の業務は研究や開発というカテゴリーに入るので、製造部とは全く別の分野になります。この仕事に携わるためにはそれなりの知識が不可欠です。したがって難易度が高く、大学や大学院で学んだ方に任されることが多くなっています。 しかし、新しい製造方法を見つけ出すアイディアや工夫は、モノづくりの現場から生まれることもあります。製造部からの異動の可能性も、会社によっては皆無ではありません。

2.まずは工場で派遣・契約社員として勤めてみよう

製造業の工場で働いてみようと考えている方は、まずは派遣や契約社員からスタートしてみてはいかがでしょうか。なぜなら、派遣や契約社員の場合では、あらかじめ期間を決めた形で仕事をすることが可能だからです。特に、工場で働くのは未経験だという方は、モノづくりの現場での業務が実際にはどんなものなのかを知りません。万が一、工場での業務が肌に合わなかったとしても、期間満了まででしたら勤め上げることも可能なのではないでしょうか。また、正社員として働くとなると、会社に対して相応の責任を背負わなければなりません。しかし、派遣や契約社員の立場ではそんな心配も不要です。業務内容や職場の雰囲気が気に入るかどうかを気軽に試すことができます。

3.まず製造スタッフとして採用されたら

製造スタッフとして現場に入った後は、どのようなキャリアアップを辿ればいいのでしょうか。この段落では、製造スタッフがキャリアアップを目指すために、具体的になにをすればいいのかについて説明します。

3-1.目の前の仕事を徹底してやる

新しい仕事に就いてしばらくの間は、どんな方でも不慣れな状態です。特に、工場で働いた経験がない方は、新しいことだらけになることもあるでしょう。ですから、最初は自分に割り振られた仕事に集中です。ひたすら、目の前の仕事を一生懸命こなすことに徹底します。自分が従事している製造工程の作業をしっかりと覚え、完璧にマスターすることを目指すのです。やる気があればその他の製造工程も任されるようになり、知識やできることも増えていきます。このようにして業務に励み、着実に経験を積んでいくと、工場でのさまざまな仕事ができる「多能工」に育ちます。多能工はいろいろな製造工程で作業ができるため、職場内で重宝される製造スタッフだといえそうです。

3-2.次のステップを目指す

作業と職場に慣れることができたら、次に意識するのはリーダーや正社員の2つでしょう。この2つにはどちらが先というルールはないので、両方目指すのがよさそうです。

3-2-1.リーダーを目指す

製造スタッフとして働く方が進むことになる、キャリアアップの第一歩はリーダーです。リーダーというファーストステップを昇るためには、製造スタッフとしての十分な知識と経験が不可欠となりますが、それだけでは足りません。自分に与えられた仕事だけを黙々とこなすだけではなく、周りのスタッフとも積極的にコミュニケーションをとるように心がけます。リーダーになると、スタッフとの意思の疎通や連携が重要になるからです。また、新しい製造スタッフが入ってきたら、何気なくサポートするなど、面倒をみてあげるようにします。

新人に仕事を教えたり助言をしたりしているうちに、信頼を得ることができ、リーダーへのキャリアパスにもつながるのではないでしょうか。そしてリーダーになって、その仕事が評価されるようになれば、正社員への近道にもなりそうです。

3-2-2.準社員・正社員を目指す

準社員や正社員としての登用を狙いたい方は「正社員登用制度」を設けている会社に最初からターゲットを絞って選ぶのも得策です。一般的なルートをたどる場合、準社員や正社員になるためには上司からの推薦を得て、試験を受験することになります。準社員や正社員登用を希望する人がたくさんいる場合は、当然狭き門になってしまいます。それ相応の意気込みと頑張りが必要です。実は、準社員は法律上の明確な定義はありません。呼び方も、準正社員や限定社員などという名称が使われることもあり、その会社によって定義も違います。そのため、自分が働いている会社での定義はどのようになっているのか、しっかりと確認することが重要です。

4.その後は品質管理や生産管理へ

キャリアアップ上にある次の到達点は、品質管理や生産管理です。両職種とも、製品や現場について精通していなければならないため、製造スタッフとしての経験と知識が存分に活用できる仕事です。品質管理や生産管理へのステップアップは、通常、部署を異動するというスタイルでおこなわれます。その際には、年収のアップが伴うことがほとんどです。製造の現場での業務は、扱っているものによっては体力が必要になることもあります。そのような職場では、年齢を重ねてからのことを心配する方もいます。しかし、品質管理や生産管理の業務では、過度の体力を必要とされることはまれです。モノづくりの現場で長く働くことを希望している方は目指してみてはいかがでしょうか。

5.まずは期間工から始めよう

製造業での仕事を体験したい方は、期間工として非正規で働き始めることがオススメです。

5-1.期間工とは

期間工は、メーカーに直接雇用されている契約社員のことです。別の名称として、期間従業員と呼ばれることもあります。一方、派遣社員は派遣会社が雇用主であるため、メーカー直接雇われている期間工とは全く異なった雇用形態です。期間工の契約期間は最長でも2年11カ月ですが、派遣社員は最長3年間です。期間工と派遣では契約期間にも違いがあります。なお、期間工は主に製造スタッフとして仕事をしています。

5-2.期間工の魅力

期間工として就労するメリットの1つは、なんといっても収入面です。募集の条件として、高い賃金を提示している企業が多くあります。皆勤手当や深夜手当、そして、経験者手当などの各種手当や、満了慰労金まで支給してくれるなどの好条件です。2つ目のメリットは、メーカー直接雇用ならではの福利厚生です。期間工として仕事をする方々は社会保険に加入することができます。つまり、健康保険や厚生年金保険、さらには、雇用保険や労災保険への加入が可能なのです。これら社会保険料の半分は、会社が負担してくれることになります。また、寮を用意してくれる職場もあります。寮費や水道光熱費無料を謳っているところもあるため、生活にかかるコストを大幅にカットすることも可能です。

将来のことや理想の働き方を考えながらよく検討しよう!

製造業で働くなら、まずは「期間工」という形でのスタートでしょう。求人探しには、求人専門の情報サイトを利用するのがオススメです。株式会社アウトソーシングで仕事を見つけて仲介してもらうと、入社祝い金などのキャンペーンや手厚いサポートなども受けることができます。大手メーカーの期間工・期間従業員専門の求人専門情報サイト「期間工.jp」で、どんな求人があるのかチェックしてみてはいかがでしょうか。