2020.8.21

派遣社員で一人暮らしって生活は苦しい?派遣の給料と一人暮らしの生活費!

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派遣社員として働くことを考えている方の中には、一人暮らしができるのか、一人暮らしを始めたとしても金銭的に苦しいのではないかと不安に思う方もいるのではないでしょうか。この記事では、単身世帯の平均的な生活費や派遣社員として働く人の平均的な月給をもとにして、一人暮らしをする場合の暮らしぶりがどのようになるかを紹介します。

1.一人暮らしの月の出費は平均16万円

総務省統計局のデータによれば、2018年における単身世帯の出費の平均額は16万2833円です。2019年の平均額は16万3780円となっており、出費の平均額は年度ごとに多少異なってはいるものの、さほど大きな変化はありません。ネット上のさまざまなデータを参照しても、単身世帯のひと月あたりの出費は15~17万円程度となっているようです。具体的な出費の内訳については、このあと詳しく解説します

2.派遣社員の給料ってどれくらい?

それでは、派遣社員が平均的にどれくらいの収入を得ているのかを見ていきましょう。また、自分の収入を確認する際に注意したい点についても紹介します。

2-1.派遣社員の平均月収は15万~20万円

楽天リサーチの「派遣労働者実態調査-結果報告書-」によると、派遣労働者の月収は15万円超~20万円以下が38%と最も多くなっており、次いで20万円超~25万円以下が27%となっています。ただし、月収は職種によっても異なっており、たとえばソフトウェア開発では25万円を超える収入を得ている方が最多です。一方、案内、受付、駐車場管理などでは約75%の方が20万円以下の収入となっています。さらに、地域によっても収入の格差が大きくなっている傾向です。東京23区では約60%以上の方が20万円超の収入を得ていますが、政令指定都市で20万円超の収入を得ている方は約35%、その他の都市では30%弱程度にとどまっています。

派遣社員の仕事で気になっているものがあるなら、時給をもとにして月収を換算してみましょう。

2-2.注意!確認するのは手取り額!

月収を考える場合は、見かけ上の数値ではなく、手取りがいくらになるのかを算出することが大切です。月収は、時給×労働時間×勤務日数で計算できますが、勤務日数は月ごとに異なる場合が少なくありません。カレンダーの関係から勤務日数に20~22日と幅がある場合は、最も少ない日数の20日で計算しましょう。なお、時給×労働時間で算出した月収は、保険料や税金が引かれる前の金額になります。

実際は、月収から保険料や税金が引かれて残ったものが手取りとなります。保険料や税金は住んでいる地域の住民税の金額や前年度の収入によって異なるものの、一般的に約2~3割程度が控除されます。つまり、月収が20万円の方の場合、手取りは16万円程度になるのです。保険料や税金が天引きされた後に銀行口座に振り込まれることとなるため、実質的に手にするのは16万円程度となり、ここから生活費を捻出していくことになります。

2-3.必ず確認!交通費は込み?

派遣社員の仕事を選ぶ際に、時給に交通費が含まれているのか、別途交通費を支給してもらえるのかを必ず確認しましょう。交通費が支給されるか否かという条件は派遣会社によって異なります。交通費が給料とは別に支給されると思っていたのに実際は時給に含まれている場合、生活費の中から交通費を捻出しなければなりません。また、交通費が支給されない場合は交通費を払うことで手取りが目減りしてしまうため、住居を借りる場所を考える必要があるでしょう。郊外や駅まで距離がある場所なら家賃は安くなりますが、その分、交通費は高くなってしまいます。

3.家賃はどれくらいにするべき?

家賃の目安は、手取りの3分の1が基準です。そのため、手取りが15万円なら5万円まで、18万円なら6万円までの物件を借りられることになります。ただし、手取りの3分の1という基準は、景気が右肩上がりで収入も増加傾向にあった時代にいわれていたことです。必ずしも収入は右肩上がり傾向ばかりとは限らないため、手取りの25%を目安にしたほうがよいという考え方もあります。25%を目安とすれば、より生活費に余裕が生まれるでしょう。物件を借りる際には、駅近の便利なところよりも駅から離れた場所を選ぶと家賃が安くなります。ただし、勤務地から離れすぎると通勤が大変になるだけでなく交通費がかさんでしまうため、注意が必要です。

4.生活費の内訳の目安

家賃や交通費以外に、月々の生活費として以下のものがかかります。食費が約2~3万円、水道光熱費が約1万円、スマホやネットなどの通信費が約1万5000円、交際費が約1万円、日用品が約5000円、趣味・衣類が約1万5000円などです。なお、交際費や趣味にかかる費用は人によって差があります。歓送迎会や忘年会がある時期は交際費が多くなるでしょう。また、冠婚葬祭などで突発的に交際費が必要になることもあるため、普段から貯金をしておくことも必要です。この他、医療費なども急にかかることがあるため、家計にはある程度余裕を持たせておかなければなりません。これらの臨時出費や家賃なども含めて合計すると、ひと月あたりの生活費は16~17万円程度になるでしょう。

5.引っ越しにはどれくらいかかるの?

一人暮らしをするにあたって、引っ越しにはどれくらいの費用が必要なのかを紹介します。

5-1.物件にかかる費用

物件を借りるにあたって必要になる初期費用には以下のものがあります。まず、大家に支払う敷金です。敷金は家賃を滞納した場合や修繕費などとして使われ、退去の場合に返ってくる場合があります。礼金は物件を借りることを感謝して大家に支払うもので、退去のときには返ってきません。不動産会社などを通して契約した場合は、仲介手数料がかかります。この他、鍵交換料や火災保険料なども必要です。これらを合計すると、物件を借りるまでに約25~30万円がかかります。敷金や礼金、仲介手数料などは、家賃の金額に応じて計算されるため、家賃が高い物件を借りると連動して高くなるため注意が必要です。また、敷金や礼金の金額は地域によっても差があります。

5-2.引っ越しにかかる費用

引っ越し自体にかかる費用は、すべてを業者に頼む場合、大型家具のみを依頼する場合など、どの程度の荷物を業者に運搬してもらうかによって異なります。業者に依頼する場合、引っ越しを行う時期、時間帯、引っ越しの移動距離、どの業者に依頼するのかによっても料金はまちまちです。複数の業者から見積もりを取って比較検討することで引っ越し費用を安くすることができます。一般的に、業者に依頼した場合の単身引っ越しにかかる費用は約3~5万円が相場です。また、単身引っ越しでは荷物がそれほど多くない場合もあるため、自分の車で荷物を運ぶ方もいます。自分で運ぶ場合は距離に応じてガソリン代や高速代などが必要です。

5-3.その他の費用

初めて実家から出て一人暮らしを始める場合、家具や家電などを買い揃えなければいけません。家具や家電は、安く見積もったとしても約10~15万円程度かかると思っておいたほうがよいでしょう。家具や家電の費用を抑えるには、使用していない中古品があれば知り合いから譲ってもらう方法や、なくては生活できない必需品だけ購入し、あとは少しずつ買い足していく方法があります。この他、初任給が入るまでの生活費も確保しておかなければなりません。

6.生活費を抑えるためのコツ

ここからは、一人暮らしを行う方が生活費を節約するために何をすればよいのかを紹介します。

6-1.固定費を抑える

家賃や光熱費、通信費など、月々出ていく固定費を節約することは簡単ではありません。そのため、最初から固定費をなるべく安く抑えるようにしていきましょう。生活費に占める固定費の割合は、4~5割程度が適切です。具体的には、同じ間取りの部屋があるならより家賃の安い物件を借りる、スマホのプランを見直して格安のプランに乗り換えるなどの方法があります。

6-2.自炊をする

食費は工夫次第で安くできる費目です。外食が多くなると月々の食費が4万円を越えてしまうことも珍しくありません。一方、自炊をするように心がければ月々2万5000~3万円程度に抑えることができます。正社員とは異なり、派遣社員は定時で帰宅できるため、自炊をするハードルはそれほど高くないでしょう。週末など、時間があるときに日持ちのするおかずを作っておくと、毎日の自炊時間の短縮になり気持ちに余裕が生まれます。また、夕食を作るときに次の日のお弁当も一緒に用意しておけば、お弁当作りのために朝早く起きる必要がありません。また、弁当を持参することで食費の節約になるだけでなく、健康的な生活ができます。

7.家賃・生活費を抑えるには

家賃や生活費の出費を抑えて安く生活するために、どのような方法があるのかを紹介します。

7-1.シェアハウスを選ぶ

シェアハウスに住むことで生活費を安く抑えることができます。シェアハウスは、自分の部屋以外に共同で使うスペースがある住居スタイルで、一般の賃貸物件を借りるよりも初期費用が安くなる点が魅力です。場所によっては、月々の負担が2~3万円のところもあります。家具や家電なども必要最低限は揃っているため、一から購入する必要はありません。一方、共同生活を行う中で人間関係のいざこざが起きたり、自分が使いたいときにキッチンやお風呂を使えなかったりすることをストレスに感じる場合もあります。しかし、こうしたことは人それぞれ感じ方が異なるため、あまり気にならない人もいるでしょう。

7-2.期間工など寮付きの仕事を始める

住居費の負担を減らすには、寮のある仕事を選ぶ方法もあります。例えば、期間工はメーカーと直接契約をする契約社員の扱いになり、会社の寮に住むことが可能です。寮は会社の近くにあることが多いため、期間工として働く方の多くが寮から仕事に通っています。寮には家具や家電も揃っているため、自分で買い揃える必要がありません。また、食堂がついているため、自炊をしなくても栄養のある食事を取ることができます。それでいて、家賃は無料または数千~1万円程度なので、一人暮らしの人にはとても魅力的だといえるでしょう。

期間工として働く場は車や車の部品の製造工場が中心となります。部品の組み立てなどの仕事は重いものを持つことがあるため男性向きの仕事と思われがちです。しかし、重い部品はロボットを使用して組立を行うため、人がするとは限りません。また、車工場には部品の不良品を見つける品質保証、品質管理の仕事があります。こうした職場には男性よりも女性のほうが多く配属され、活躍している例も多いです。期間工はメーカーと直接契約を結ぶため、福利厚生や待遇なども良い傾向があります。期間工は短期間でお金を貯めたい方には魅力的な仕事であるため、一度検討してみるとよいでしょう。

家賃・生活費を抑えて計画的に生活しよう

派遣社員になった場合、給料や住む地域の家賃相場などによって条件が異なり、それほど余裕ではないとはいえ一人暮らしをすることは可能です。毎月貯金をするには、固定費や生活費を上手にやりくりすることが必要となります。月々の出費の中でも負担が大きいのが住居費です。住居費を抑えるには、シェアハウスに住んだり寮付きの仕事を探したりすることで対応できます。一度こうした手段も検討してはいかがでしょうか。

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