2020.3.4

倉庫業務の仕事内容とは?必要なスキルや職種などについて紹介!

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職場の人間関係やストレスなどで仕事を辞めた人にとっては、倉庫業務は新しい就職先として有力な選択肢の一つになります。ただ、倉庫業務が具体的にどのような仕事なのかよく知らないという人も多いのではないでしょうか。そこで、倉庫業務に興味があるという人のために、具体的な業務内容や必要なスキルなどについて紹介していきます。

1. 倉庫業務とはどんな仕事?

製造業者や流通業者の多くは物流の拠点として倉庫を保有しています。そして、その倉庫内で荷物の受け取りや出荷を行う仕事が一般的に倉庫業務と呼ばれているものです。ちなみに、荷物の受け取りと出荷はそれぞれいくつかの作業に区分されています。まずはその作業内容について解説していきます。

♯入庫業務(荷降ろし/検品/移動)

荷物の受け取りは入庫業務とも呼ばれ、その際に行う主な作業が「荷降ろし」「検品」「移動」の3つです。荷降ろしとは文字通り、トラックなどで運ばれてきた荷物を降ろす作業を指します。具体的な方法としては手渡しで行うものから、ローラーの上を転がしての荷降ろし、あるいはフォークリストなどの機材を使用して行うものまで、荷物の大きさや種類によってさまざまです。たとえば、フォークリフトの入っていけない場所で荷降ろしをする場合はハンドリフトなどが使用されるケースもあります。

次に検品ですが、これは降ろした荷物に対して「傷はないか」「数は足りているか」などといった具合に、発注した規格や条件を満たしているかを確認する作業です。特に重要なのが数量と注文通りの商品が届いているかのチェックで、伝票の記載内容を見ながら確認していくのが一般的なやり方です。なお、商品が梱包されたままの状態で検品をする場合は、基本的にバーコードラベルが用いられ、効率的に作業を行うことができます。検品をして問題がなければ、最後に移動を行います。移動とは届いた荷物をそれぞれ所定の場所に運ぶ作業です。

♯出荷(仕分け/梱包/積み込み)

出荷の作業は、大きく「仕分け」「梱包」「積み込み」の3つに分けることができます。まず、倉庫に集められた商品を送り先などに応じて分類していくのが仕分けです。注文書やリストに従って指定の荷物を集めるピッキングと呼ばれる作業もこの中に含まれます。作業の方法としては、手作業で行う場合もありますが、重い荷物を運ぶ際にはフォークリフトなどを利用することになります。また、食品や医薬品、化粧品などの分野では作業の効率化を図るために、ベルトコンベアやロボットアームといった機械を導入しているケースも少なくありません。その場合は、仕分け作業を目視しながら、不良品などが混じっていないかをチェックするのが主な仕事となります。

仕分けの次は梱包です。梱包とは出荷される商品を段ボールや木箱などの外装に詰めていく作業のことです。また、必要に応じて発泡クッションやエアパッキンなどの緩衝材を外装の中に入れる場合もあります。それらは荷崩れを防ぐとともに、衝撃による破損や雨や汚れなどから荷物を守るためのものです。梱包が終了すれば荷物の積み込みが行われます。この場合も状況に応じてフォークリフトやハンドリフトなどが使用されることになります。

♯1日の作業スケジュール

以上が倉庫業務の主な内容ですが、1つの倉庫でこれらの業務を行う場合は作業ごとに専任の作業員が配置されているのが一般的です。ただ、小さな倉庫では、すべての業務を同じ作業員が兼任することになります。なお、1日の仕事の流れとしては、入庫と出荷業務を別のスタッフが担当しているのであれば、ずっと同じ作業を行う場合がほとんどです。一方、両方の業務を同じスタッフが行う場合は昼過ぎまでは出荷業務を行い、出荷の作業が終わり次第、入庫業務を行うといったケースが多くなります。なぜなら、配送業者による集荷が一般的に夕方までしか行っていないため、それに間に合わせるために集荷業務を優先しなければならないからです。

2.倉庫業務はきつい?向いているのはこんな人
♯倉庫業務はなぜきついといわれるのか?

倉庫業務は単純な作業が多くてすぐに慣れるといわれている一方で、仕事がきついという意見も少なくありません。その理由はいくつかありますが、まず挙げられるのが体力が必要だという点ではないでしょうか。確かに、倉庫で扱う荷物にはかなりの重量になるものも数多くあり、体力がないときつい面があります。もちろん、一定以上大きな荷物の場合はフォークリフトなどの運搬機を使用しますが、すべてがそうだというわけではありません。体力がないのに無理をして重い荷物を運んでいると、腰などを痛めてしまうおそれがあり危険です。

また、数量を間違えたり、商品が届くのが遅れたりすると多くの人に迷惑をかけてしまうため、この仕事は時間や数の管理に厳しい傾向があります。それがプレッシャーとなり、一部の人にとってはきついと感じてしまうのです。さらに、倉庫は夏になるとうだるような暑さに見舞われ、冬になると凍えるような寒さに襲われるという傾向があります。エアコン自体は設置されていたとしても頻繁に積み込みをする関係からシャッターを開けっぱなしにしていることが多く、どうしても空調管理はしにくくなってしまいます。

以上のように、倉庫業務には確かにきつい面はあるのですが、それらはあくまでも最悪の場合を考えればという話です。たとえば、職場によってはそれほど重い荷物を持たなくてもよいところもありますし、食料品などを扱う倉庫なら室温管理がしっかり行われているので夏や冬でも快適な環境で作業を行うことができます。大切なのは、数ある倉庫業務の求人の中から自分に向いているものをいかにして選んでいくかということです。

♯倉庫業務に向いている人の特徴

倉庫業務のデメリットを踏まえたうえで考えてみると、倉庫業務に向いているのがどのようなタイプの人かが見えてきます。まず、重い荷物を持ち運びする場合があり、立ち仕事も多いので体力に自信がある人ならぴったりです。また、単純作業が好きで同じことを繰り返していても集中力が落ちないという人も倉庫業務に向いているといえます。特に、フォークリフトなどの機械を操作する場合は一瞬の油断が大事故につながりかねないため、集中力は必要不可欠です。さらに、時間や数量に関しては厳格さが問われるだけに、責任感のある人もこの仕事に向いています。

逆に、若さや資格の有無、接客の上手さなどについては基本的に問われることはありません。以上の点を踏まえ、実際に応募する前に自分が倉庫業務に向いているかどうかをチェックしておきましょう。

3.倉庫業務に役立つ資格は?

資格がなくても倉庫業務の仕事に就くことはできますが、取得しておけば仕事をするうえで役立つ資格は少なくありません。ここではその中から代表的なものをピックアップして紹介していきます。

♯フォークリフト運転技能者

この免許を取得すれば、最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転することができ、仕事の幅が広がります。ちなみに、最大積載荷重1トン未満のフォークリフトなら学科科目と実技科目を各6時間受講すればいいだけですが、1トン以上のフォークリフトを運転しようと思えば計31時間の講習を受けたうえで、修了試験に合格しなければなりません。しかし、いずれにしても、難易度はそれほど高くないだけに、できれば早い段階で取得しておきたいところです。

♯自動車免許(大型/中型/大型特殊/けん引)

大型/中型/大型特殊/けん引などの自動車免許は普通免許と同じようにそれなりの費用がかかるものの、合格率70%前後と取得自体はそれほど難しくありません。それに、ドライバーに代わって車両の移動をしたり、特殊な作業で活躍できたりするなど、取得しておけばなにかと重宝します。ちなみに、教習所に通わずに免許試験場で直接受験を行えば費用を安く抑えることができますが、合格率がかなり低くなってしまうのであまりおすすめはできません。

♯運行管理者

安全な輸送を実現すべく、指導や監督を行うために必要な資格です。主な業務としては、ドライバーに対する指導や監督の他に、ドライバーの常務割表の作成、交代要員の配置、過積載の防止、必要なデータの記録などが挙げられます。一定数以上の事業用自動車を有している営業所には一定の人数の運行管理者をおくことが義務付けられているため、この資格を取得していれば就職などにも有利です。ちなみに、合格率は30%程度で、そこまで難しい資格ではないものの、必要性の高まりから難易度は上昇傾向にあります。

♯倉庫管理主任者

倉庫の管理に必要な知識や能力を有していることを証明するための資格であり、倉庫業者による選任が義務付けられています。ただし、実際に選任されるためには、倉庫業務に関して3年以上の実務経験か2年以上の指導監督的実務経験を有していなければなりません。選任された場合の業務内容は、倉庫における安全作業の徹底、火災の防止、作業員の労務管理などです。なお、この資格は講習を受ければ自動的に取得することができます。

♯ロジスティクス管理2級/3級

倉庫業務のなかでも、荷役や梱包、輸送などのオペレーションに関する知識を有していることを証明するための資格です。倉庫業務において中心的役割を担うことを想定した資格であるため、今後もこの仕事を続けていくつもりがあるのなら、ぜひとも取得を目指したいところです。ちなみに、3級なら難易度はそれほど高くありません。合格率は50%を超えており、独学で十分合格を狙えます。しかし、2級になると出題範囲が広くなり、難易度は一気に高くなります。合格率も40%前後です。そのため、合格を目指すにはそれなりの対策が必要となってきます。

4.倉庫業務の給料はどれくらい?

条件などによって違いがあるため、一概にはいえないものの、倉庫業務の給料は正社員の場合で年収は300万円代前半から後半といったところです。また、派遣社員なら時給換算で1200円程度、アルバイトなら1000円前後が相場となります。ただし、最初からそれだけの給料をもらえるというわけではなく、20代の正社員は200万円代後半の人が多いといった具合に、若い間は安く、キャリアを重ねていくと次第に高くなるというのが一般的です。

ちなみに、できるだけ早く給料アップを目指したいのなら、資格が必要な仕事に就くのも1つの手です。たとえば、フォークリストのドライバーなら年収400万円、運行管理者なら年収500万円を超えるケースも珍しくないといった具合に、資格が必須の職種は給料が高い傾向にあります。

自分に合った職場を探そう!

倉庫業務は体力や集中力が必要となるものの、人間関係のわずらわしさが少なく、単純な仕事が多くて未経験者でもすぐに慣れることができるというメリットがあります。それに、倉庫業務と一言でいっても実際の職場環境はさまざまです。体力などに自信がない場合でも自分に合った職場を見つけられる可能性はあります。まずは、「はたらくヨロコビ.com」を利用して、倉庫業務の求人情報を探してみてはいかがでしょうか。

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