2020.3.25

派遣の仕事における「即日」って何?実際に登録から就業までにかかる期間は?

記事メイン画像

派遣の仕事をしていると、しばしば「即日」という言葉を目にします。では、この「即日」という言葉は、具体的にどのくらいの期間を差しているのでしょうか。「即日」が当日なのか3日以内なのかの解釈がはっきりしていなければ、雇用者から「即日勤務できますか」と言われたときに双方の認識にずれが出てしまいます。ここでは、派遣の仕事における「即日」の意味、そして派遣の仕事の探し方を解説していきましょう。

1.派遣における「即日」とは

派遣における「即日」という言葉は、どんな現場でも共通の解釈があるわけではありません。辞書的な意味では「即日」とは「当日」「すぐその日のうちに」という意味となっています。しかし、派遣における「即日」という言葉の差す範囲は広く、派遣会社によって異なっているのです。「登録の翌日から」という意味で使われることもあれば「来週以降から」という意味で使われることもあります。そのため、双方の誤解が生じないように、登録の際には「即日」は具体的にはいつからなのかを確認しておくといいでしょう。

また「即日」という言葉の定義と、実際に働けるタイミングがどうなるかはまた別の話です。求職者側が明日からでも働ける状況にあっても、派遣会社に適切な仕事先がなければ働くことはできません。逆に、派遣会社への登録などの必要な手続きが済んでいなければ、すぐに勤務できる案件があってもそこへ行くことはできないのです。従って「即日」とは実質的に「派遣会社への登録終了後、派遣先に採用され次第すぐに働けるタイミング」となると言えるでしょう。

1-1.【補足】派遣における「未経験」とは

派遣の求人をチェックしていると「即日」と並んでよく目にする文言に「未経験OK」があります。では、この「未経験」とはどのくらいの程度を差しているのでしょうか。「未経験OK」の解釈も、やはり派遣会社によって異なります。ある会社では「その職種や業界での就業経験がないこと」と定義されており、またある会社では「該当の職種で働いたことがないこと」とされています。仕事の経験の有無は、その仕事に就けるかどうかの重要な判断基準です。そこがはっきりしていないと、自分が希望している仕事なのか、自分にできる仕事なのかがわかりません。そのため「未経験OK」の文言がある求人については、その都度「未経験」がどのくらいの範囲なのかを確認するといいでしょう。

2.「即日」の最短期間は?

「即日」という言葉の定義は派遣会社によって異なるというのは前述の通りです。では、派遣会社が「即日で仕事ができます」と言ったときの最短期間は実質的にはいつからなのでしょうか。派遣会社から仕事を紹介してもらって仕事を始めるには、派遣会社への登録、希望に合う求人のチェックなどをこなす必要があります。それを考えると「即日」は実質、最短で10日以内ということになるでしょう。

もちろん、この期間は実際に仕事をするまでの準備が早ければ縮まる可能性がありますし、逆に登録などが遅いと長くなります。より早く派遣での仕事を始めたいのなら、最初のステップである派遣会社への登録を早めに済ませておきましょう。また、人気のある企業の場合は選考に長い時間がかかることがあります。そのため、なるべく早く仕事を始めたいのなら人気企業はあきらめるといった選択も必要でしょう。

3.派遣登録から仕事開始までの流れ

派遣会社で働くためには、派遣会社の登録会をスタート地点としていくつかのステップを踏んでいく必要があります。ここでは、派遣会社で働く際の登録から就業までの流れを紹介していきます。

3.登録会に行く準備

大手の派遣会社であれば、全国各地で登録会を行っています。都合が合う日時があれば、電話またはWEBから登録会への予約を入れるようにしましょう。次に気になるのが登録会当日、何を持っていけばいいのか、どのような服装をして行けばいいのかなどですね。ここで詳しく解説します。

3-1.派遣会社から登録会に予約

派遣で働くためには、まず派遣会社が開催している登録会を予約することころから始めましょう。服装は会社によって異なりますが、特に指定がない場合はスーツもしくはオフィスカジュアルな服装が無難でしょう。持っていくものも会社によって多少異なるものの、おおむね身分証明書、履歴書、印鑑などです。説明会では、これから派遣社員として働くために必要な注意事項や派遣の仕組み、福利厚生などについての説明があります。登録会で重要なのが、仕事の紹介を受けるために必要なプロフィール作成です。これまでの職歴や希望の職種などをまとめてプロフィールを作成します。会社によっては、事前にネット上でプロフィールを作成できるところもあるので活用しましょう。

次に、スキルを確認するためのスキルチェックが行われます。チェックされるスキルは、一般的にはパソコンスキルや一般常識などです。最後に、派遣会社のスタッフとの面談が行われます。プロフィールやスキルチェックの結果、そして登録後の働き方の方針についての話し合いです。ここで、今後の職種や希望の条件をしっかり固めておくことが今後の仕事のうえでとても大切なポイントになりますので、しっかりと話し合っておきましょう。

3-2.仕事の紹介

派遣登録が終了したら、次はいよいよ仕事の紹介です。まずは面談が行われ、仕事の希望条件やスキルの確認が行われます。それに合わせて求人を探すことになりますが、登録直後に希望にぴったりの仕事が見つかるケースもあれば、希望条件とは異なる仕事を紹介されることもあるでしょう。どちらにせよ、その場で即答する必要はありません。また、このときに職場環境や勤務条件についてもしっかり確認しておきましょう。いざ働くことになってから自分の想像と違うといったようなトラブルを避け、快適に働くためにもとても大切なポイントです。

3-3.事務所訪問

希望条件に合った求人が見つかったら、次は事務所訪問です。実際に事務所を訪問することになるので、実際に仕事を行う際の疑問点や不安なことがあったら積極的に質問して解消しておきましょう。また、実際に仕事をしているところを見せてくれる場合は、自分が仕事をすることをイメージしておくと仕事に入りやすいでしょう。職場環境やスタッフの人数なども確認しておくと安心です。初めての場所で緊張するかもしれませんが、事務所訪問には派遣会社の担当スタッフが同行してくれます。事務所訪問後、2日から1週間ほどで派遣会社から合否連絡が来るのが一般的です。

3-4.業務開始

事務所訪問の結果、派遣社員と事業所の間で合意が取れたら、いよいよ業務開始となります。派遣先で何らかのトラブルが生じた場合は、問題が大きくなる前に速やかに派遣会社に連絡しましょう。また、契約期間中の派遣社員は、派遣会社に対して勤怠報告を行わなくてはいけません。勤怠報告の方法はさまざまですが、おおむね所定の書類に勤務開始時間や終了時間、残業時間などを記入して提出する形となります。そして、この報告の内容から給与が算出されるのです。

4.派遣の仕事を探すコツ

派遣会社の登録会に参加したからといって、必ずしも順調に仕事が見つかるとは限りません。せっかく派遣会社に登録したのに、なかなか仕事が見つからないのは悲しいことです。ここでは、そうした状態を解決するために、派遣の仕事を効率よく探す方法を紹介していきます。

4-1.複数の派遣会社に登録

派遣の登録する多くの人は、できるだけ早い段階で仕事を見つけたいと思っているでしょう。そのためには、複数の派遣会社に登録することをおすすめします。より多くの派遣会社に登録しておけば、それだけたくさんの求人をチェックすることができます。たくさんの求人をチェックできれば、それだけ自分の希望の条件や職種に合致した求人を見つけられる確率が高くなるでしょう。

また、派遣会社にはそれぞれ特徴があります。求人はすぐに見つかるけれど時給は平均的な会社もあれば、求人を見つけるのに時間はかかるけれど時給は高いという会社もあるのです。そのため、とにかく多くの派遣会社に登録するのではなく、それぞれの弱点をカバーできるような特徴を持った派遣会社に絞って登録しておくことをおすすめします。

4-2.希望条件・スタイルは明確にする

派遣の求人は非常に数が多いため、自分に合った仕事を見つけるためには希望条件を明確にしておくことが大切です。複数の派遣会社に登録するのならなおさらのこと、自分が何を重視して仕事を探すかをはっきりさせておかなくてはいけません。また、資格や経験もまとめておくといいでしょう。なかなか派遣での仕事が決まらない人のなかには、資格や経験といった条件を満たしていないのに、とりあえず応募しているというケースも少なくありません。もちろん、そうした人はいくら応募しても条件を満たしていないので採用されず、時間を無駄に浪費してしまうことになります。しかし、自分の資格や経験をしっかり把握しておけばそうしたことにはなりません。

自分の希望条件やワークスタイルをしっかり把握しておくことは、求人の見つかりやすさにも直結します。なぜなら、希望条件がはっきりしている人のほうが派遣会社のほうも求人を見つけやすく、仕事内容も具体的に説明しやすくなるからです。また、希望条件がはっきりしている人なら、同じ職種の求人を紹介してもらいやすくなります。同じ職種の仕事を続けていれば、その仕事の経験もどんどん積んでいけるという好循環も期待できるでしょう。

4-3.仕事を探す期間に注意する

何事にも波があるように、派遣の仕事にも波があります。派遣会社に登録したけれどなかなか仕事が見つからないという場合は、時期的に派遣の仕事が減っているタイミングなのかもしれません。派遣の求人にも増減があり、一般的に求人が増える傾向にあるのは、年度初めとなる3月や9月です。そして、派遣の契約期間は3カ月単位で更新されるので、それぞれ3か月後の6月、11月も求人が増える時期となっているのです。なかなか求人が見つからない場合は、これら以外の時期に求人を探している可能性が非常に高いです。そのため、なかなか仕事が見つからない場合はそのまま求人探しを続けても、時間を浪費してしまうだけになります。いったん時期を改めてから求人をチェックしてみましょう。

早く仕事を始めたいのならば余裕の持った準備を!

この記事では、派遣の仕事における「即日」の意味から、派遣で仕事を探す際の一連の流れを紹介してきました。「即日」とは言っても、必ずしも登録したその日に仕事が見つかるわけではありません。派遣で働くためには登録会での登録をはじめ、さまざまな準備が必要です。少しでも早く自分に合った仕事を見つけるためには、時間に余裕をもって派遣登録の準備をはじめ、計画的に求人を探すことが最も大切であると言えるでしょう。