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製造業・工場の志望動機の書き方・例文を紹介

企業求人に応募するとき、まずは履歴書やエントリーシートを送ることが一般的です。その際に、企業に「会いたい」と思われるような内容を書かなくてはなりません。自分をうまくアピールすれば、その後の面接も有利になるでしょう。この記事では、製造業において採用担当者の心に届く志望動機と例文を紹介していきます。

【目次】

■悪い志望動機にはパターンがある

・待遇の良さを強調する内容

・どの会社にも当てはまる内容

・受け身すぎる内容

■いい志望動機は「読みやすい構成」を守っている

・1.結論

・2.なぜ製造業を選んだのか?

・3.なぜその会社を選んだのか?

・4.入社したら取り組みたいこと

・5.決意表明と自己PRによる締め

■製造業界に求められている4つの人材

・真面目で責任感が強い人材

・意欲・熱意がある人材

・協調性がある人材

・積極性がある人材

■採用担当者が知りたいのは「親和性」

■【経験別】志望動機の例文

・未経験者

・経験者

■【職種別】志望動機の例文

・検品

・工場-倉庫内の軽作業


悪い志望動機にはパターンがある

いいアプローチとは何かは一概にいえませんが、採用担当者に不信感を与えてしまう志望動機のパターンはおおむね決まっています。まずは、心象を損なう志望動機の書き方から押さえましょう。

待遇の良さを強調する内容

<NG例>
○お給料が良さそうだったので、志望しました。
○お休みがしっかり取れそうで、自分の時間を大事にできそうだったからです。

給料・残業・お休みなどの待遇面が気になるのは当然のことです。しかし、志望動機で条件の良さを強調しすぎると「ほかに条件のいい仕事があれば、そちらを選ぶのでは?」と受け取られる可能性があります。志望動機を通して採用担当者が見極めたいのは、「応募者を採用したらどのようなメリットがありそうか」であって、応募者本人の希望ではありません。どうしても外せない希望や条件があれば、「本人希望欄」に書くといいでしょう。

どの会社にも当てはまる内容

<NG例>
○御社の製品に感動しました。
○人の役に立つ仕事がしたいからです。

製造業では、競合他社も存在します。お互い似たような製品を開発しながらも、それぞれの個性を押し出して差をつけようと日々努力しています。そのため、採用担当者も「自社の強みに惹かれている人材」と一緒に働きたいと願っているのです。だからこそ、志望動機は、特定の応募企業にしか使えないくらい具体性をもたせましょう。「御社の製品に感動しました」ではどの企業にも当てはまるため、志望動機を使い回しているように見えてしまいます。「○○に不可欠な加工技術を御社が一手に担っていると知り、ぜひ貴社で働きたいと思いました」といったように、具体的な内容を盛り込みましょう。

受け身すぎる内容

<NG例>
○研修制度が充実しており、スキルアップできそうだと思ったからです。
○御社で勉強させていただきたいと思いました。

スキルアップに意欲的なのはいいことですが、会社は学校ではなく、お給料をもらって仕事をする場所です。「学びたい」、「成長したい」という志望動機は、企業に成長させてもらいたいという受け身の印象を与えてしまいます。また、このような人材は、たとえ時間とコストをかけて育てても「学び終わったら退職するのでは?」と不安に感じさせるでしょう。のびのびと学べる環境が魅力的である企業であっても、まずは働く意欲が高いことをアピールしましょう。

いい志望動機は「読みやすい構成」を守っている

採用担当者はたくさんの志望動機を読まなくてはいけないので、流し読みしても趣旨がわかるような構成にすることが大切です。読みやすい志望動機を作成するために、下記のような構成で書いてみましょう。

1.結論
2.なぜ製造業を選んだのか?
3.なぜその会社を選んだのか?
4.入社したら取り組みたいこと
5.決意表明と自己PRによる締め

1.結論

どのような内容であっても、最も伝えたい「結論」は最初に書いておきましょう。文章を前向きに読むかどうかは、冒頭で決まります。冒頭で「もっと知りたい!」と思わせることができれば、採用担当者はどんどん読み進めてくれるでしょう。

業界に飛び込んで成し遂げたいこと、応募企業の事業内容やビジョンに対する共感、これまでの経験と応募企業との親和性といった結論を先に見せることで、「もっと知りたい!」という気持ちを引き出すことができます。

2.なぜ製造業を選んだのか?

さまざまな業界がある中で、製造業を選んだ理由に触れます。等身大で、働く意欲を感じられるようなポジティブな理由を書きましょう。「モノづくりが好き」は定番ですが、それだけではつかみどころがありません。「DIYが趣味で電子工具を扱える」、「アクセサリー制作が好きで細かな作業が得意」など、現在どのようなモノを作っているのか、その活動中に培ったスキルについても触れるといいですね。経験者であれば、「同業種で培った経験を活かせる」というストレートな内容でも、採用担当者は心強く感じるでしょう。

3.なぜその会社を選んだのか?

ほかでもない「この会社を選んだ理由」についても触れましょう。製造業界と一口にいってもさまざまなメーカーがしのぎを削っており、その企業だけがもつ強みやビジョンがあります。「なぜその会社を選んだのか?」に答えることは、「貴社が第一志望です」という熱意を伝える行動でもあるのです。会社の公式サイトを確認し、活動内容、事業方針などを調べたうえで、志望動機と結びつけてみましょう。

4.入社したら取り組みたいこと

必須ではありませんが、入社してから取り組みたいことに触れて、自分がどのように貢献できるか伝えるのもいいでしょう。会社について理解したうえで自分にできることを模索しようと試みなければ、「入社後にやりたいこと」は話せません。応募企業の業務内容を踏まえて、入社後にやりたいことと自分が貢献できることを伝えられたら、採用担当者に「自社にとって必要な人材だ」と感じてもらえるでしょう。

5.決意表明と自己PRによる締め

締めには、決意表明と自己PRを行います。「経験はないですが」、「迷惑をかけると思いますが」といった弱気な言葉は使わず、自分の経験やスキル・特技の範囲でいえることについては自信をもって書きましょう。ただし、必要以上に能力を高く見せたり、過剰な決意表明をしたりするのはNG。今の自分と大きくかけ離れたことを書く必要はありません。「貴社のお役に立てるように、自分の強みを活かして頑張りたい」という意気込みが伝われば、意欲のある人材だと感じてもらえるでしょう。

製造業界に求められている4つの人材

志望動機を書く際には、「自分の強み」と「製造業界で求められている人材」の双方が重なるポイントを探ることが大切です。以下では、製造業界で求められている人材像について紹介します。

真面目で責任感が強い人材

製造業では、従業員それぞれが重要な役割を任されながら働いています。細かく工程が別れているため、ひとつの製品ができあがるまでに多くのスタッフを経由することが基本です。誰か1人でも仕事を投げ出してしまうと現場に多大な迷惑がかかってしまいます。「責任感」のある真面目な性格は、製造業において重宝される人材となるでしょう。

また、製造業ではルーティーンワークが続くことも珍しくありません。人によっては同じ作業が続くと集中力が落ちてしまい、真剣に取り組めなくなってしまうでしょう。どのような作業内容でもやる気を失わずに頑張れることは、志望動機に含めたいポイントです。

意欲・熱意がある人材

「世の中に貢献したい」、「自分以外のために尽くしたい」という意欲・熱意は、製造業を志望する動機の核になるでしょう。モノづくりは、暮らしやすい世の中を実現するためにある仕事です。機械であれ食品であれ、人々の需要に応えて作られていることに変わりはありません。立場に関係なく「自分が作っているモノが誰かを助けている」と信じられるからこそ、真剣に仕事と向き合えます。自分以外のために尽くす心は、製造業界に共通する信念ともいえます。

協調性がある人材

「周囲の人と友好な関係を築ける」という対人能力も、立派なアピールポイントになります。なぜなら、多くのプロセスを経てモノを世に送り出す製造業の仕事は、基本的にチームであたることになるからです。どの分野であってもチームワークは重要であり、従業員の人間関係が悪化することは、企業活動にとって大きなマイナスです。上司やチームメンバーと友好関係が築けそうな人物かどうかは、製造業界の採用において重視されるポイントでもあります。

積極性がある人材

未経験者の採用が多い製造業界では、やる気や熱意を見るために積極性を重視する傾向があります。仕事における積極性は大きく3つに分けられます。

○人間関係における積極性
○自己成長における積極性
○業務遂行における積極性

人間関係における積極性

初対面や苦手に感じる相手、もしくはグループの中において、前向きな立ち回りをする姿勢です。初対面の人との話題作りや苦手な相手と折り合いをつける方法について触れることで、人間関係における積極性を示せるでしょう。

自己成長における積極性

常に自己成長のための活動を続ける姿勢です。仕事やプライベートで長年続けていること、将来の夢に向けた取り組みといった活動は、自己成長における積極性と捉えることができます。

業務遂行における積極性

未経験もしくは苦手な業務に直面したとき、トラブルやアクシデントが発生したときに、問題解決に向けて試行錯誤する姿勢です。わからないことを周囲に質問する、改善案を上司に提案する、トラブル時にチームを先導するといった行動が挙げられます。

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採用担当者が知りたいのは「親和性」

より魅力的な志望動機を書くためにも、製造業の採用担当者がどのような視点で志望動機を見ているのかについても把握しておきましょう。

採用担当者が志望動機を通して知りたいのは、自社と応募者の「親和性」です。入社後の教育にもコストがかかります。企業としては、採用した人材には「長く勤めて欲しい」と願っています。応募者がもつありのままの人格と自社との親和性が高ければ、長く勤めてくれる可能性が高くなります。

また、自社にとってマイナスの影響を及ぼす人材も避けなくてはいけません。特に製造業は、全ての生産工程を完璧に遂行することで、お客様に満足いただける品質を担保しています。小さな仕事だからと手を抜くような人物が内部にいると、企業活動にネガティブな影響が及びかねません。目の前の仕事に責任感をもてるような人材を欲しています。

志望動機を書くときには、採用担当者から「応募企業との親和性が高い人材」だと感じていただけるように文面を工夫してみましょう。

【経験別】志望動機の例文

実際に志望動機を書く際は、例文を参考にするのが得策です。例文をまるまる書き写すのは厳禁ですが、流れやPRポイントを理解するためには効果的です。以下では、経験の有無によって変わる志望動機の例文を紹介します。

未経験者

未経験者による志望動機のポイントは、「熱意」と「適正」です。

私が御社を志望したのは、製造業への憧れが強かったからです。私は大学時代、約3年にわたって食品製造工場で働いていました。そのとき、流行を常にリサーチしながら、新商品を次々に生み出す活力に強い尊敬を抱きました。そして、自分も将来、食品に関わる仕事をしたいと思うようになったのです。業界をリサーチしていく中で、海外進出にも積極的に取り組んでいる御社なら、スケールの大きな仕事をできるのではないかと考えました。自分は大学で経営学を勉強し、マーケティングの知識も備えています。いつか、御社で新商品を生み出す仕事なども任せていただきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

志望するに至った具体的なエピソードがあると、動機にも説得力が加わるでしょう。また、自分に何ができるのかや入社後にやってみたいことなどを盛り込むのがコツです。

経験者

すでに製造業で働いている方は、「即戦力であること」、「転職理由」がポイントです。

私はこれまでも家電の生産工場で働いてきました。そこでチームリーダーを任されるなど、経験を積んできたと自負しています。だからこそ、より大きなプロジェクトに関わりたいと感じ、御社を志望しました。私は業界トップクラスのシェアを誇る御社で、より責任のある業務を担いたいと願っています。これまで私はチームリーダーとして、クレームなく現場を指揮したとして3度の表彰を受けています。この経験が御社でどれだけ通用するのか、自分を試したいと考えるようになりました。また、きっと御社のお役に立てると自負しております。よろしくお願いいたします。

「なぜ戦力になれるのか」について明示しましょう。この場合、チームリーダーの経験や実績がアピールポイントとなっています。また、これまでの職場と志望先との違いもはっきりさせておきたいところです。

【職種別】志望動機の例文

製造業にはさまざまな職種があり、職種ごとにアピールポイントは異なります。以下では、職種別に志望動機の例文を紹介します。

工場-倉庫内の軽作業

軽作業・倉庫内作業とは、工場内において比較的かんたんな仕事の総称です。商品の仕分け、荷物の梱包、商品の発送といった作業があり、仕事内容は求人によって異なります。しかし、どのような軽作業でも、たくさんの荷物や製品を扱い、コツコツと同じ作業を続けるという共通点があります。そのため、正確な仕事ができる人、集中力がある人、テキパキと効率よく動ける人、体力に自信のある人が求められています。

過去にアルバイト先で検品作業をしたことがあり、正確さや仕事の速さを評価いただいたことがあります。この仕事は初めてですが、たくさんシフトに入り、いち早く仕事を覚えられるように努力してまいります。

私は以前スーパーで品出しをしており、消費期限チェックや値札の貼り換えをしていました。また、陸上部に6年間所属しており、今でもランニングを続けています。倉庫内での業務経験はありませんが、スーパーでの品出しの経験と、ランニングで培った体力を活かせるのではないかと思い、応募いたしました。一刻も早く戦力になれるように頑張ります。

工場・倉庫内の軽作業に関する志望動機については下記記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

軽作業の志望動機ってどう書けばいいの?アピールできることと注意点
倉庫の仕分け作業の志望動機!コツや注意点・アピールできることなどを紹介
倉庫内作業への志望動機は何を書いたらいい?書き方のポイントと例文

検品

検品とは、出荷前の製品に欠陥や不具合がないか、保管されている製品の数量は正しいか、をチェックする作業のこと。検品作業が初めての方は、これまでの経験から「コツコツと根気強く取り組む姿勢」、「ミスを見逃さない慎重さ」といった特性をアピールすることで、地道な作業に適正があると感じてもらえます。膨大な数の製品を検品する必要性から、スピード感が重視されやすい業務であることも念頭に置いておきましょう。

私はアクセサリー作りが趣味で、長時間コツコツと同じ作業をすることに慣れています。検品作業にもこの特技が活かせるのではないかと思い、応募いたしました。ミスをしないように丁寧な作業を心がけることはもちろんですが、できるだけ早く業務内容を覚えて、スピード感をもって仕事に取り組みたいと思います。

検品作業に関する志望動機については下記記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

検品作業の志望動機ってどう書けばいい?アピールできることや注意点を紹介

経験者が製造業に応募する際は、志望動機でしっかり実績をアピールしましょう。未経験者は、「なぜ製造業なのか?」、「なぜこの会社を選んだのか?」に答える形にすることで、採用担当者の心に響く志望動機が書けるでしょう。志望動機は、ほかの応募者との違いが最も出やすい項目です。なかなか採用に至らないときには、「応募企業との親和性が高い人材に見えるか?」という視点から、志望動機の文面を見直しましょう。志望動機の完成度を上げるために、他人に見てもらうこともおすすめです。主旨が伝わる内容かどうか、率直な意見をもらいましょう。

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