2021.02.22

紙はなくならない!紙、パルプ、印刷業界の今後と仕事内容を紹介します

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はじめに

私たちが毎日目にする新聞や雑誌、段ボールや食品のパッケージなどは紙でできています。製紙会社は、私たちの生活のためにいろんな種類の紙を生産しています。また、印刷会社は、紙に文字や絵、写真などを印刷します。今後の製紙、印刷の業界はどうなっていくのか、どのような仕事があるのかを解説します。

パッケージや段ボールが需要増!製紙、印刷業界の今後
紙には「紙」と「板紙」がある

製紙とは紙を作ることです。製紙業界が作っているのは「紙」と「板紙」の2種類に大きく分けられます。「紙」は新聞、雑誌、書籍向けの印刷用紙、包装用紙やティッシュ、トイレットペーパーなどです。「板紙」は段ボールやパッケージ向けの厚くてかたい紙のことです。

紙は今後も必要とされる

近年、紙と板紙の国内生産量は少しずつ減ってきています。オフィスやなどで紙を使う機会が減ってきているからです。ニュースなどで「ペーパーレス化」という言葉を聞いたこともあるでしょう。紙を使わず、WEB上で手続きをするケースが増えています。また宣伝や広告の手段も、紙に印刷する方法から、インターネットを使った方法に変化しています。
しかし、世の中から紙がなくなってしまうことはありません。食品や、お菓子などのパッケージの紙や、ティッシュやトイレットペーパーなどの生活必需品は残ります。またインターネットショッピングが増えている影響で、段ボールの需要がとても上がっており、今後ものびていくと予想されています。

紙ストローも。脱プラスチックの流れ

さらに近年では世界的に脱プラスチックの動きがあります。そのため今後、プラスチックパッケージが紙のパッケージに変わっていくケースも増えるでしょう。「紙」は減っても「板紙」が使われるシーンは増えており、製紙、印刷業界は今後も安定して成長します。

製紙、印刷工場では機械の操作やメンテナンス、製品の検査を行う
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紙はパルプから作られる

紙の作り方を簡単に紹介します。まず、チップという木の破片を、薬剤と一緒に熱して粉々にします。その後、漂白して白い状態にします。これをパルプといいます。続いてパルプに薬品などを混ぜ、薄くのばして圧力をかけ、最後に水分を抜いて乾燥したら紙の完成です。

製紙工場と印刷工場の仕事

製紙工場では大きな機械を使って紙を作ります。印刷工場では、製紙工場で作られた紙にオフセット印刷機や、グラビア印刷機、ジアゾ印刷機などで印刷をします。それぞれの工場の仕事内容を簡単に紹介します。
○製紙工場の仕事
製紙工場の仕事は、機械にパルプなどの材料を入れたり、セットする作業、機械の操作が多いです。
また、できた紙を運んだり、検査、梱包したりします。物を運ぶ仕事が多く、フォークリフトなどがよく使われます。
○印刷工場の仕事
印刷工場の従業員は、印刷データが入稿されたら、校正、データ加工などを行います。イラストレータやフォトショップなどを使うことが多いです。その後、印刷機の調整や準備をして印刷します。また、印刷された紙は、印刷後にカットや製本など、後加工されます。検査工程では、印刷された画像や文字がおかしくないか、色味が見本と違っていないかなどを確認します。

製紙が盛んなのは静岡県! 都心に多い印刷工場

製紙工場は日本各地にあります。特に静岡県と愛媛県には多くの工場があり、紙の出荷量も多いです。静岡県は、鉄道や高速道路などの交通の便がいいため、静岡から全国に紙が運ばれていきます。
印刷工場は東京、埼玉、大阪などの大都市の近くが多いです。本やパンフレット、パッケージなどは人が多い地域でよく使われるためです。

紙を汚さないように、工場内はきれいになっている

製紙、印刷とともに工場の中は整理整頓されていて、安全にはとても気を使っています。製品である紙を汚したりいためてしまわないように工場内は清潔です。また重い紙や材料を運ぶ作業が多いため、フォークリフトが走っている場所もあります。
工場は、2交代、3交代勤務の場所もあります。昼であれば社員食堂で昼食をとれる工場もあります。夜間働く場合は、会社からお弁当を支給される職場もあるなど、働きやすさに気を配られている職場です。

製紙、印刷工場は安定して長く働きたい人におすすめ!
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製紙、印刷工場では、経験がない人も働けます。マニュアル化されている仕事が多いので、もくもくと正確な作業ができる人に向いています。機械を操作したり、体を動かすのが好きな人も働きやすい職場です。また、印刷の検査の仕事は、うまく印刷できているのかチェックするので、細かな色の違いなどに気づける人に向いてるでしょう。

資格はいらないが、持っていると有利な資格もある

資格が必須ということはありませんが、フォークリフトの資格を持っているといいでしょう。フォークリフトの資格は難しい勉強をすることなく取得できるので、まだ資格を持っていない場合は、挑戦してみるのもいいですね。

長く働く職場にぴったり

年齢層は幅広くて20~40代、多くの男性、女性が働いています。
製紙、印刷業界は安定しているため、長く働きたいと考える人が多いです。他の製紙、印刷工場に転職するときにも経験をアピールできて有利になります。

まとめ

紙の需要は今後もなくなることはないため、製紙、印刷は安定していて魅力的な業界です。仕事は未経験もできるようにマニュアル化されていて、特別なスキルがないとできない作業はあまりありません。男女ともにさまざまな人が働いているため、卒業後の学生でも、転職や復職を考えている人にもおすすめです。気になった方は求人情報などを確認してみてはいかがでしょうか。

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