2021.03.23

板金塗装は車の外装補修のスペシャリスト!仕事内容と魅力を紹介

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はじめに

板金や塗装という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。自動車の外装をへこませてしまったり、すり傷をつけてしまった時に必要な「補修」ですが、具体的にはどのようなことをしているのか、くわしく知らない方も多いと思います。この記事では、板金塗装業務についての仕事内容や、職場環境、業界の今後について紹介します。

車の傷やへこみを直す板金塗装。将来性と業界の動向を紹介
へこみやすり傷、コーティング作業で外装を補修する

板金塗装業務は、事故や不注意により、外装を傷つけてしまった時に行う補修修理です。ひっかき傷やすり傷、へこみ、色あせなど補修内容はさまざまです。また、車が傷つくのは事故を起こした時だけではありません。走っている時に石が跳ねて車に傷がついたり、長年車を使用していることで起こる、コーティングの劣化や経年変化などの補修も対象です。知らないうちにできたすり傷やへこみは、そのまま放置されてしまうと、外装の錆などにもつながります。

中古車市場の活発化で需要増加中

とくに若者を中心に車離れが進んでいるという意見もありますが、まだまだ車の利便性は高く、多くの人が車を必要としています。とくに近年では中古車市場が注目を集めています。メーカーの新車の値段はどちらかというと上がっていく傾向があるのに対し、中古車ならば自分が希望する価格の車を探せるのが大きなメリットとなっています。また車の性能が上がってきており、古くなった車であっても壊れたりせず安心して乗れるのも中古車が人気になる理由の一つで。見た目が少し古びていても外装をメンテナンスすれば、まだまだ現役で利用できる車は多く、中古車市場の伸びをうけて、板金塗装業界も需要が増加しています。

経験が技術につながる板金塗装業務の仕事内容とは?
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自動車整備は3つの仕事がある

自動車を整備する業務は大きく分けると「点検整備業務、分解整備業務、板金塗装業務」の3つに分けることができます。
点検整備業務は、自動車が安全に使用できるかを確認するほか、不具合が起こる前に確認することで事故を防ぎます。点検整備では、ハンドル操作に不具合がないか、ブレーキペダルを踏んだ時に、適正なきき具合であるか、サスペンションは正常に機能位しているのかなどの確認を行います。
分解整備業務とは、故障してしまった場合などに行う整備業務です。車に関係するさまざまな分解業務が専門となり、エンジンをばらしたり、ブレーキペダル、キャリパーなどの足回りを分解して不具合を解消したりします。また、カスタムする場合も、この分解整備業務に含まれています。

板金塗装業務は外装をきれいにする

板金塗装業務は外装をメンテナンスする業務です。ボディー補修やフレーム補修、外装パーツの取りかえ、そして塗装業務などがあります。板金(鈑金ともいう)とは、修理が必要な自動車の鋼板(板状に加工された鋼)を叩き、へこみを直したりする補修作業をいいます。板金の業務内容は3つに分けられており、外装の補修作業を行う「外板鈑金」、車体全体を支える「フレーム修正修理」、パーツが大きく破損してしまっていて補修が難しい場合の「取りかえ業務」です。
塗装業務は、板金補修が終わった後にパーツを塗装する業務です。板金業務で形を整え、塗装業務で色補正をして元の状態に近づけます。塗装業務の工程は、塗装する前の、下地の加工、色を調整する調色作業、そして、塗装をよりきれいに見せるみがき作業の工程に分かれています。

資格不要の板金塗装業務。未経験者の募集も増加中
メーカーと専門業者の違い

主な勤務先はメーカーの自動車修理部門か、修理専門業者です。
メーカーの場合は、指定された工具を利用したり、作業方法、自動車の構造からメーカーで認定している補修方法で作業することが可能です。利点としては、勤務先のメーカー車にくわしくなれること、また指定の材料や塗料を使用することでオリジナルに近い補修作業を学べる点といえます。
修理専門企業の場合は、さまざまな車が補修対象となります。外車であったり、カスタム車など臨機応変に対応します。作業方法も会社で培ってきた技術が反映され、使用できる用品は多肢に渡ります。いろいろな車に触れ、経験を積むことで各メーカーの特徴を知ることができます。

経験を積んで技術力を上げる

板金塗装業務は資格が必要ないのが大きな特徴のひとつです。資格を取らなくても経験を積むことで、技術をみがくことができます。車についた傷やへこみは、大きさや深さ、範囲など、他と同じ状態のものはひとつもありません。たくさんの補修業務を経験することで、自信のスキルアップにつなげていきます。職場環境は、勤務先にもよりますが土日祝はお休みのケースや、17時に退社できる企業もたくさんあります。また新人の育成に関しても、職人の経験値が仕上がりに反映されるため、マンツーマンで技術を教えてもらえる環境も多く、質問のしやすさや技術力の向上につながっています。

根気よく取り組むことで板金塗装技術も向上する
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板金塗装業務は資格を必要としない職人の業務です。誰でも仕事につけるのがメリットですが、資格がないため、実力を証明できるものがあまりありません。仕事をした回数や、どれだけ幅広い仕事をしたかの経験値が問われます。仕事と向き合うことができ、作業を根気よく取り組める人に向いている仕事です。板金塗装業務は、お客さまの目に直接触れる外装部分の補修であるため、仕上がりが重要になります。几帳面であったり、細かな作業を妥協しないで取り組める人だと、より喜んでもらえる仕事ができるでしょう。求人に関しては、未経験者から募集をかける企業も多くあります。知識がなくても、実直に取り作業に取り組める職人を業界が求めています。また、道具を用いて作業しますが、重いものを持ち上げる力作業は限られており、女性の職人もたくさん活躍しています。

まとめ

板金塗装業務の特徴を知っていただけたでしょうか。事故を起こした時に行う業務だけでなく、自動車の外装を整え、綺麗する業務も含まれています。目に触れる部分だからこそ評価は明確ですが、経験を積むことで技術は格段に向上します。自動車が走り続ける限り必要とされる板金塗装業務に挑戦してみてはいかがでしょうか。