2021.03.23

検査は出荷前の最後のとりで!製品の品質を保証するために不可欠な仕事

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はじめに

私たちはふだんから、服や食品、電子機器といったさまざまな商品を買って使っています。お店で買った商品には欠陥がないのが当たり前だ、と思っている人も多いかもしれません。しかし、服にほつれがなかったり、電子機器が正しく動いたりするのは、「検査」という重要な工程のおかげなのです。
今回の記事では、検査の仕事内容や、検査が行われる環境、検査に向いている人などについてくわしく解説します。

検査は製品に問題がないか調べる仕事!その重要性は高まっている
工場で作られた製品はかならず検査が行われる

検査は、工場で作られた商品の見た目や動きなどを確認して、問題がないか調べる仕事です。服や日用品、食品、プラスチック製品など、工場で作られた商品は出荷する前にかならず検査されます。
商品の検査がきちんと行われなかった場合、不良品がたくさんお店にならぶことになります。するとそれを買ったお客さんからクレームが出たり、大きな事故につながったりする場合も出てきます。これらを防ぐためにも、検査はかならず必要なのです。

検査は品質を確認するための作業

ものがあふれる現代の社会では、価格が低くても品質は高い商品が当たり前になりつつあります。商品の品質を高めるには検査のやり方を工夫することが必要であり、画像認識やAIによる自動検査を取り入れる企業も出てきています。検査の方法はこれからもますます発展していきます。
「検査」と似た用語に「検品」がありますが、これらは違うものです。検品は、これから出荷する商品(または、注文して届いた商品)の名前や数を確認する作業です。検査は商品の品質を、検品は物流の品質を確認する作業だといえます。

検査の仕事には、見た目の検査と機能の検査がある!
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検査の仕事にもいくつかの種類がある

検査の仕事は、外観(見た目)と機能(動き)の検査に分けられます。
見た目の検査で多いのは、人が商品を目で見て確認する「目視検査」です。目視検査では、商品に傷やよごれ、変色などがないかをチェックします。服などの場合は、ほつれなどの確認も必要です。自動車や医療機器などでは細かい部品をあつかうことも多いため、目視検査に拡大鏡や顕微鏡を使うケースもあります。
動きの検査は、作った部品や商品が正しく動くかを確認する作業です。電子機器を操作して動きをチェックしたり、自動車部品の電気的な特性が正しいかを確認したりします。機能の検査では、測定器などを使うことも多くあります。

検査の結果を記録するのも大切な仕事

また、実際の検査にくわえて、検査結果をパソコンに入力したり紙に記録したりする仕事もあります。

検査の仕事は快適な環境でできる! 子育てとも両立しやすい

工場での検査は、すわって行う場合がほとんどです。検査は商品の製造や運搬などに比べて体力をあまり使わず、女性も多く活躍しています。
商品を製造する現場は、暑かったり匂いがしたりする場合があります。例えば、プラスチック製品を作る現場ではプラスチックを溶かすため、工場内が暑くなるケースが多いようです。これに対して、検査をする場所は空調が効いている場合が多く、いつでも快適に作業ができます。
医療機器や電子機器などの場合、機器内にほこりなどが入らないようにするため、クリーンルーム(空気をきれいにして、細かいほこりや細菌などをのぞいた部屋)で検査するのが普通です。クリーンルームに入るには、特殊な作業服を着て、エアーシャワー(服についたほこりを吹き飛ばすための空気のシャワー)を浴びる必要があります。クリーンルームも空調が効いているため、快適に作業できます。
検査の仕事にはマニュアルがある場合が多く、初心者でもマニュアルに沿って問題なく仕事ができます。最初は簡単な検査からまかせられ、徐々に重要な検査を担当するケースが多いようです。
検査の仕事では、週に1、2日から働ける職場や働く時間を選べる職場も多く、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。家事や子育てとも両立しやすいです。

検査はスピードよりも質!気になることを放っておけない人は検査向き
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集中力が大切な仕事

検査の仕事には、基本的に難しい作業はありません。年齢や資格に関係なく、興味があれば誰でも挑戦できます。
検査の仕事では、いくつもの商品に対して同じ検査を繰り返します。集中力を保つのが苦手な人の場合、長い時間同じ検査をしているうちに集中力が切れ、検査が適当になってしまうかもしれません。同じ作業を繰り返していても集中力を切らさず、コツコツ作業を進められる人のほうが検査に向いているといえます。

正確さや細やかさが求められる

また、検査ではスピードよりも正確さが求められます。「少しのよごれなら問題ないだろう」と適当に作業するのではなく、「少しでも気になる点があったら報告する」という意識をもつことが重要です。ふだんから気になることを放っておけず、突き詰めて考えるタイプの人は検査向きだといえます。
検査は商品の品質を保証するための最後のとりでのようなものであり、検査を行う人には大きな責任がともないます。そのため、責任感が強い人は検査の仕事に大きなやりがいを感じることができます。

まとめ

検査の仕事内容や仕事の環境、検査の仕事に向いている人、などについて解説してきました。
お店にならぶ商品を安心して使えるのは、工場で行われている検査のおかげです。検査は商品を作るうえで欠かせないものであり、今後は新しい検査方法が次々と出てくると考えられます。
あなたも一度、検査の仕事にかかわってみませんか?