2021.10.18

生産管理ってどんな仕事?製造管理との違いは?

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はじめに

製造業の職種の中でも「生産管理」は、ものづくりの全体を把握し、管理する重要なポジションです。製造工程だけではなく、生産の計画から市場に完成品を出荷するまで、広い視野と知識が必要になる職種で、大きなやりがいを感じられる仕事です。しかし、その仕事内容が幅広いゆえに、生産管理の具体的なイメージをつかめていない人も多いかもしれません。 そこで今回は、生産管理の具体的な仕事内容や向いている人、役立つ資格などについてご紹介します。

「生産管理」とは?

生産管理とは、生産や販売の計画から出荷に至るまでの体制を整え、製造工程全般を管理する業務を指します。
製造業では、必ず製品の納期が設定されます。その期日を守り、品質に問題のない製品を納品できるように、原材料の調達から製造計画、人員配置、工程管理、品質管理まで、幅広い業務を行います。計画通りにいかない事態が発生した際は、状況を判断して適切な対応を行うことも必要です。

「生産管理」と「製造管理」の違い

生産管理と製造管理は似た言葉ですが、生産管理のほうがより幅広い意味があり、業務も多岐にわたります。生産管理は、生産計画の立案から品質管理まで、製造管理を含めた生産工程全般の管理の意味を持ちます。
一方、製造管理は、製造現場での工程管理を意味します。現場での製造ラインの手順に問題がないか、適切なペースで稼働しているか、などを管理しています。

生産管理の業務内容

生産する製品により細かな内容は異なりますが、一般的には以下の業務を行います。

・需要予測

過去のデータや経済状況、競合他社の状況などを踏まえ、自社製品の受注量を予測します。需要予測よりも実際の受注量が多いと在庫が不足して機会損失となり、逆に予測よりも受注量が少ないと在庫を抱えて収益を悪化させる原因となります。

・生産計画

需要予測をもとに、製品の数量、生産スケジュールの計画を立てます。製造ラインの生産能力、必要な原材料の調達、人員確保などの面を踏まえて計画します。

・仕入れ・購買計画

生産計画に沿って、必要な時期に必要な原材料を確保できるように、仕入れの計画を立てます。仕入れるためには資金が必要なので、無理のない購買計画も立てる必要があります。

・在庫管理

適正な在庫量を保つため、製品ごとの在庫を把握し、柔軟に生産計画を調整します。

・工程管理

工程計画通りに生産が進むように、工程の管理を行います。需要予測や仕入れ計画が当初の予定とズレが生じた場合には、工程計画をその都度変更する必要があります。

・品質管理

求められている品質で製品を納品できるように、管理をします。仕入れた原材料の品質チェック、適切な手順で製品が生産されているかのチェック、仕上がった完成品の品質チェックなどを行います。不良品が発生した際の原因究明も大切な業務です。

生産管理の仕事に向いている人とは?

生産管理は、製品づくりの最初から最後まで一貫して関わる仕事なので、大きなやりがいがあります。自分に向いていると思ったら、ぜひチャレンジしてください。

●数字、データ分析が好きな人

生産管理は、需要予測のデータ分析から始まり、原材料の仕入れ数や生産量の決定、人員の工数管理、在庫量管理など、常に数字と向き合う仕事です。また、刻々と変わる状況の中、何度も計画を見直し、的確な判断をしなければなりません。
そのため、数字に強く、数字に基づいて冷静に判断できる人が向いています。

●広い視野を持つことができる人

ただ製造工程の効率だけを考えるのではなく、経済状況や市場環境などの外部要因も踏まえ、長期的な視野から生産計画を立てる必要があります。トラブルが生じた時は、近視眼的に穴埋めするのではなく、工程全体を俯瞰的に見て調整しなければなりません。
そのため、広い視野を持ち、臨機応変に対応できる人が求められます。

●コミュニケーションを取るのが好きな人

生産管理は、製造現場と営業担当との板挟みになることも少なくありません。そのため、双方と交渉を行い、スムーズに製造ができるように調整していくコミュニケーションスキルが必要です。
さまざまな職種の人と関わり、刻々と変わる状況にも対応しなければならないので、緊張感を持って仕事をしたい人、仕事に刺激が欲しい人にも向いています。

生産管理の仕事に役立つ資格とは?

中央職業能力開発協会による「ビジネス検定」に、生産管理に関連する資格が2つあります。

●生産管理オペレーション

主に生産システムの統制や運用業務を担当する人を対象にした資格です。「作業・工程・設備管理」「購買・物流・在庫管理」など、生産における製造設備の管理や物流について学ぶことができます。

●生産管理プランニング

主に生産システムの設計や計画業務を担当する人を対象にした資格です。「製品企画・設計監理」「生産システム・生産計画」「品質管理」「原価管理」「安全衛生管理」など、生産管理全般の知識を学ぶことができます。

生産管理の仕事に役立つ生産管理システムとは?

生産、物流、販売、人員管理など、生産管理に関わる業務を一括できるシステムで、ERP(統合基幹業務システム)と呼ばれます。
生産計画に沿って製造を進めていても、必ずイレギュラーなことが起こります。変更を繰り返しながら製造を行っていきますが、その状況をスタッフ間で素早く共有するなど、生産の効率化を進めるシステムです。
不良率の管理、在庫管理の適正化、生産計画の短縮化など、システムを上手く利用すれば、業務を効率的に進めることができ、利益率の向上にもつながります。

まとめ

生産管理の仕事は、製造やものづくりの計画段階から深く関われるので、製造業に興味のある人にとってはとても魅力的な仕事です。適切な生産管理を行えば、現場スタッフや営業担当、取引先など、多くの人に喜んで貰える仕事でもあります。
しかし、生産管理の仕事も、生産する製品の種類や企業により、大きく異なります。生産管理の仕事に興味があるならば、生産現場の仕事をたくさんご紹介してきた実績がある「じょぶサポッ!」に、ぜひ相談してみてくださいね。充実した仕事を探すお手伝いをします!