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検査工に向いている人ってどんな人?|検査工になるには

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製造業というと力仕事というイメージがありますが、重たい荷物を持ち上げたり運んだりといった作業がないことから、女性にも人気がある検査工。
仕事をするにあたって特別な資格や経験が必要ないことから、男女を問わず未経験でも始めやすい仕事です。


検査とは?

検査とは、工場で作られた製品の品質を検査する仕事のことであり、検査をする人のことを検査工と呼びます。
検査の目的は、製品の傷や不具合を出荷前に見つけ、生産ラインで起きている不具合の原因を特定すること。もしも検査が不十分だと、傷や不具合のある製品に気が付かずに出荷してしまい、お客さんからのクレームや、最悪の場合には事故につながることもあります。
顧客の安心と企業のイメージを守るうえで、検査はなくてはならない仕事の一つです。
一言に検査といっても、さまざまな方法があります。以下では、代表的な検査方法をピックアップして紹介します。

外観検査

外観検査とは、傷や汚れがないかどうか製品の見た目をチェックする検査です。どの程度の傷や汚れを不良品として弾くかどうかは工場によって違いますが、傷や汚れはクレームにつながりやすいため、業種を問わず多くの企業で外観検査を重視しています。
特に食品メールや家電メーカーの場合、傷や汚れは目立ちやすく、お客さんの心理に与える影響も大きいため、外観検査は念入りに行います。

官能検査

官能検査は、味覚・嗅覚・触覚・聴覚・視覚の五感をつかって製品の品質をチェックする検査です。菓子の甘さや惣菜のしょっぱさ、椅子の座り心地、スニーカーの履き心地、スピーカーの音質など、官能検査の対象となるものはさまざまです。
官能検査では、体調の変化などの要因によって検査員の判断が変わるのを避けるため、合格限度見本と不合格限度見本の二つの見本を用意します。実際の検査では、この二つの見本と製品を比較しながら検査を進めます。

モニターチェック

外観検査や官能検査は製品を対象とする検査でしたが、モニターチェックは生産ラインそのものを対象とする検査です。生産ラインの各機械が正しく機能しているかどうか確認するために行われます。
生産ラインの一部で機械の故障が起き不良品が大量に発生すると、その後の工程の作業が全て無駄になってしまいます。モニターチェックで素早くトラブルの原因と場所を特定することで、そうしたリスクを未然に避けることができます。

機能検査

機能検査では、仕様通りに働くかどうか、製品の機能をチェックします。例えば、自動車生産工場であれば、走行テストや各種機能検査を行い、問題がないことを確認します。
そのほか、気温や湿度、気圧といった条件を変えて製品の耐久性を調べる耐久性試験も機能検査に含まれます。

測定器による検査

精密機器や一部の特殊な製品など、製品によっては、人間の目や手によって不具合を見つけるのが難しいことがあります。例えば、X線を使って製品の内部を調べるX線検査や、レーザーを使用し検査するウエハ検査、専用のカメラで製品のラベルの印字のかすれなどを検査するラベル検査などは、測定器による検査です。
なお、測定器による検査で使用する測定器の一部は、扱うための資格が必要です。そうした資格の取得にあたっては実務経験が必要となるものが多く、誰でも取得できるわけではありません。その分、取得すれば貴重な人材として企業から重宝されるでしょう。

分析補助

医薬品メーカーや化粧品メーカーなど研究開発を積極的に行っている企業では、製品成分の分析やデータ整理といった作業を行いますが、こうした作業を分析補助と呼びます。
製品の不具合を発見するために行われるほかの検査と異なり、分析補助は新商品の開発や既存製品の改良のために行われる検査です。
分析補助では数字を扱う機会が多く、また、データを分析するためのスキルが必要になります。

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検査工になるには?

基本的に検査工は学歴や経験、性別を問わず、未経験者でもなることができる職業です。
ただし、外観検査を行う検査工の場合、ある程度の視力が必要とされることがあります。また、検査する製品によっては、電気・電子、機械、化学といった分野についての知識や、機械検査技能士や品質管理(QC)検定、非破壊試験技術者といった専門資格が必要となることもあります。
更に、高い正確性が求められる特殊な検査の場合、工学部の出身者や工業高校の機械学科系卒業者が優遇される傾向にあります。
検査工として就職直後は、簡単な検査を主に担当することになります。その後、経験を積むにつれて、難しい検査を任されるようになります。やる気次第では、更に経験を積むことで、管理職に昇格することも可能です。

どんな人が検査の仕事に向いているの?

未経験者でもできる検査の仕事ですが、人によって向き不向きがあります。
では、検査の仕事に向いているのはどんな人でしょうか。

単純作業が苦にならない人

ベルトコンベヤーの上を次から次へと流れてくる製品を一つずつチェックする検査の仕事は、基本的に単純作業の繰り返しです。そのため、単純作業が好き!という人は、検査の仕事に向いています。

長時間集中力を維持できる人

検査の仕事中に途中で飽きて集中力が切れてしまうと、不良品に気が付かず、そのまま出荷してしまうことにもなりかねません。
そのため、検査の仕事では、短期的な集中力ではなく長期的な集中力が求められます。シフトによる交代制で行うことが多い検査の仕事ですが、最低でもシフト入りしてから休憩時間まで集中力を保つことができなければ、検査の仕事は務まりません。

観察力があり、細かい作業が好きな人

検査工は、注意していないと見逃してしまうような小さな傷や汚れを見つける必要があります。どれだけ商品を綺麗な状態でお客さんの元に届けることができるか、また、どれだけお客さんからクレームが少ないかは、検査工の仕事ぶり次第といってもいい過ぎではありません。
そのため、観察力のある人や細かい作業が好きな人は、検査の仕事に向いています。反対に、大雑把な性格の人は検査の仕事に向いていないかもしれません。

責任感が強い人

検査で弾かれなかった不良品は、そのまま出荷されてしまいます。昆虫や金属片といった異物の混入が原因で、食品メーカーが商品を回収し謝罪するということも珍しくありません。
企業のためにもお客さんのためにも「絶対に自分がミスを見つけるんだ!」という気持ちで、責任感をもって仕事に取り組める人は検査の仕事に向いています。

効率を考えて仕事ができる人

工場によっては、一度に多くの製品がベルトコンベヤーにのって流れてきます。そのため、自分なりに試行錯誤しながら、常に効率を考えて仕事をできる人は、検査の仕事に向いています。

呑み込みが早い人

製品や工場によっては、検査工は沢山の手順や項目を覚える必要があります。覚えたことをすぐに忘れてしまうようでは、検査工としては失格です。
そのため、のみ込みが早い人や記憶力に自信があるという人は、検査の仕事に向いているでしょう。

検査工に必要・役立つ資格って?

未経験でも働くことができる検査の仕事ですが、取得すると就職や昇格で有利になる資格はあります。また、一定の資格を取得しなければ扱うことができない検査器具もあります。
検査工におすすめの資格のうち、ここでは代表的なものを4つ紹介します。

機械検査技能士

機械検査技能士は、機械が正しく機能するかどうか検査する機械検査技能士になるための国家資格です。特急・1級・2級・3級の4級位に分かれています。
機械検査技能士の取得者は、検査はもちろんものづくり現場で幅広く重宝されるため、人気の高い資格の一つです。

非破壊試験技術者

非破壊試験技術者資格試験は、製品内部の傷や欠陥を、特殊な技術を用いて製品を壊さずに検査する「非破壊試験技術者」になるための民間資格です。放射線透過試験、超音波探傷試験、磁気探傷試験、浸透探傷試験、渦電流探傷試験など、扱う技術ごとに12の試験が用意されています。
放射線や超音波などを使った非破壊検査をする工場に応募するという場合、取得しておきたい資格です。

非破壊検査総合管理技術者

非破壊検査総合管理技術者試験は、以下の6つの部門全てに精通した、非破壊試験技術のプロフェッショナルだけが受験できる資格です。
〇放射線透過試験
〇超音波探傷試験
〇磁粉探傷試験
〇浸透探傷試験
〇渦電流探傷試験
〇ひずみ測定
この資格の保有者は、非破壊検査を行う工場で貴重な人材として重宝されるでしょう。

品質管理(QC)検定

品質管理(QC)検定は、品質管理に関する知識を評価する民間資格です。学生から社会人まで幅広い人が受験する人気資格であり、取得すれば、検査工としての就職・昇進に役立つでしょう。

検査業務の将来性

急速に進む機械化・デジタル化によって、近い将来には多くの仕事がなくなるといわれています。では、検査の仕事はどうでしょうか。
一部の大手企業では、検査業務で機械を取り入れ始めています。画像認識技術などが向上するにつれて、そうした企業の数は今後もますます増えるでしょう。
とはいえ、専用の機械は高価なものが多く、いまだに多くの企業では、検査工が目や手で直接検査を行っているのが実情です。また、専用の機械を導入したとしても、機械の操作の整備や行うにあたって人手が必要となることは変わりません。
検査を行わない工場はないといってよく、日本全国で引く手あまたの検査工ですが、検査工の仕事が完全に機械化し、検査という仕事がなくなるまでには、まだまだ時間がかかるといえるでしょう。
ただし、機械の修理や整備に関する資格を取得するなど、いつか来るその日のために今から準備しておくことは大切です。

はたらくヨロコビが取り扱う検査の仕事

検査工の具体的な仕事内容や給与相場は、検査の方法や検査する商品の種類にごとにさまざまです。
ここでは製造業に特化した求人サイト「はたらくヨロコビ」に掲載されている検査工の求人を例として取り上げながら、検査工の給与相場と主な仕事内容について見ていきます。
検査工の仕事を探している方は、是非参考にしてみてくださいね。

給料相場

はたらくヨロコビに掲載されている検査工の給料相場は、全国平均で
・月収17万~38万
です。
地域別にいくつか例をあげると、例えば、
東京都日野市の医療関連製品工場の場合、
〇月収24万~26万(年間休日132日)
茨城県坂東市の自動車用触媒の場合、
〇月収33万~35万(年間休日122日)
となっています。

主な仕事内容

具体的に何をどんな方法で検査するかは、工場ごとにさまざまです。検査工の求人数が最も多いのは食品工場や自動車部品工場ですが、食品工場の場合、北海道小樽市のカップ麺工場では
〇フィルムに穴が開いていないかなどの検品
香川県東かがわ市の自動車部品工場では、
〇抜き取り検査
が具体的な仕事内容となります。
また、検査工は医療関連製品工場の求人も多く、埼玉県比企郡川島町の工場では、
〇輸血パックや注射剤の検査
が主な仕事内容となります。
なお、例として挙げた工場のうち、二つの工場では従業員の男女比が半々となっており、女性が活躍している様子が伺えます。

製造業に特化した求人サイト「はたらくヨロコビ」は、検査工の求人を多く取り扱っています。未経験者・初心者・女性歓迎の求人も多く、検査にチャレンジしてみたいという方や子育て期間のブランクがあるという方は、最新の求人情報をリアルタイムで受け取ることができる「はたらくヨロコビ」の公式LINEにぜひ登録してみてください。