2020.10.02

溶接の資格はたくさん。どんな種類があるの?

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はじめに

溶接と聞くとやはり思い出すのが仮面を付け、火花をバチバチ飛ばしているあの姿ですよね。実は溶接と言っても60種類以上の加工方法が存在するといわれています。そんな溶接にはどんな種類の資格があるのでしょうか。今回は初心者でも取れる資格から、経験を積んでから取得したい資格まで、溶接の資格を解説したいと思います。

溶接ってなんだ?
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技術を覚えれば誰でもバチバチっと溶接ができるわけではないんです。
溶接を仕事にするためには資格が必要になります。あの硬い金属をつなぎ合わせることができるほどの高温を扱うためには、正しい技術と知識が必要になってきます。そのため、仕事として溶接を行うためには溶接の資格を取らなければ、働くことができません。また、溶接資格と言っても、さまざまな種類の資格が存在します。1つ取得したからすべての溶接が可能になるわけではないので注意しましょう。
では、国家資格や民間資格も含めどの資格を取ればよいのでしょう。

溶接するための基本の資格!「アーク溶接作業者」と「ガス溶接技能者」

溶接工(溶接する人)として仕事をするなら、まずは「アーク溶接作業者」か「ガス溶接技能者」の資格を取得することをお勧めします。溶接作業の基本となる「アーク溶接」「ガス溶接」は資格も取得もしやすく1番初めに取ることが多い資格です。どちらの資格も試験は必要なく、講習を受講するだけで取得できます。アーク溶接、ガス溶接は、基本の溶接作業になるので、この資格を取得してしまえば、あなたも立派な溶接工として働くことが可能になります。
アーク溶接は工場をはじめ、さまざまな場所で行われている作業です。溶接というとイメージする、火花を飛ばしながら行う作業が、まさにこのアーク溶接です。
アーク溶接作業者の資格は、2日間で11時間の学科講習と、1日で10時間の実技講習を受講すれば、取得可能です。講習中に居眠りをしたりしなければ問題なく取得できるでしょう。資格取得条件は、18歳以上であることです。
ガス溶接はガスの炎を使用して金属と金属をつなぎ合わせる溶接です。ガス溶接は温度調節がしやすく作業箇所をじっくり見ながら溶接ができるのがポイントです。ガス溶接を行うために必要な資格は、国家資格である「ガス溶接技能者」です。
国家資格ではありますが、資格を取得するために特別な試験を受ける必要はありません。2日間で14時間の講習を受け修了すれば、一生使える国家資格が取得できてしまいます。こちらも資格取得条件は、18歳以上であることです。

ワンランクアップ!需要増加中の「アルミニウム溶接技能者」

軽くて強度があるアルミニウムは、自動車関連の工場などでよく使用されます。アルミニウム溶けやすく、加熱中に酸化しやすい金属です。そのため、専門的な知識と確かな技術が必要になります。アルミニウム溶接は、一般社団法人軽金属溶接協会が実施しているアルミニウム溶接技能者の資格試験に合格すれば、可能になります。
資格試験の合格率は80%程度。それほど難しい試験ではありませんが、合格するために技術や知識をしっかり身につけてのぞみたいところです。

溶接工の上級者!「ボイラー溶接士」

ボイラーとは、水を温水にしたり水蒸気にしたりするための専用装置です
特殊な装置のため、ボイラーの製造や改造、修理など際、溶接作業を行うためには国家資格の「ボイラー溶接士」が必要になると労働安全衛生法によって定められています。ボイラー溶接士の資格には、普通ボイラー溶接士と特別ボイラー溶接士の2種類があり、普通ボイラー溶接士の資格試験を受検するためには、1年以上の溶接経験が必須です。ただしこの際、ガス溶接など一部の溶接は溶接経験に含まれないので、注意が必要です。
普通ボイラー溶接士の資格を取得後、ボイラーなどの溶接経験が1年以上になると、特別ボイラー溶接士資格を受検する資格を得ることが出来ます。
溶接資格の中でも経験と知識が必要な上級溶接資格と言えるでしょう。

このほかにも、「チタン溶接技能者」「ステンレス鋼溶接技能者」「プラスチック溶接技能者」などの認定資格があります。一般社団法人 日本溶接協会のホームページでどんな溶接の認定資格があるのかを確認し、適した溶接資格、目指したい溶接工を目指しスキルアップを狙いましょう。

溶接資格はどうやって受検する?
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溶接資格を取得するには、日本溶接協会が認定する各種の「溶接技能者資格」を検索する必要があります。各都道府県の溶接協会など、指定機関に申し込み受検が可能です。
受検日程や受検料は資格によって異なり、月に何回も試験が開催されているものもあれば、年に数回しか試験が行われない資格もあります。

まずは日本溶接協会、資格試験を主催している団体のホームページで受検日程や受検料、受検条件などを調べることがおすすめです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
「溶接」と一括りになっていますが、仕事内容や作業方法が細かく分かれていることを知ることが出来たのではないでしょうか。しっかりとした知識と、確実な技術がなければならない、とても危険な仕事です。
しかし、比較的取得しやすい専門職であり、スキルアップでさまざまな資格取得が可能です。
興味がある方はぜひ、基本となるアーク溶接やガス溶接の資格から取得してみてはいかがでしょうか。

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