2020.10.26

板金の資格って?板金の資格を持っていれば、自分の手でモノ作りも可能に!

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はじめに

自分の手でモノづくりをし、お客様に価値をお届けするのはすばらしい仕事です。私たちの身の回りには、薄い金属板を板金という方法で加工して作られた製品が数多くあります。自動車、家電、家、ビルなど、板金の技術が使われているものはたくさんあります。今回は、高い専門性と豊富な知識、技術を必要とする板金加工に関して、どのような資格があるのか、資格があると役に立つことは何かを解説します。

工場板金と建築板金って何を作る?それぞれの資格の違い

板金に関する主な資格は、工場板金技能士と建築板金技能士があります。どちらも厚生労働省が認定している国家資格です。
板金加工とは、厚さが3㎜程度までの薄い金属板に穴を空けたり、カットしたり、折り曲げたり、丸めたり、板金同士を溶接して一体化したりする加工です。
板金が使われている製品は数多くあり、加工方法や使用する材料、工具など、何を作るかによって違ってきます。それらを大きく分類したものが工場板金と建築板金です。
工場板金は、自動車や家電、パソコンやプリンタなどの製品に用いられていることが多いです。工場板金技能士の資格では、工場板金の加工方法や加工装置の使い方、板金の材質の特徴や図面の読み方、加工計画の立て方、管理方法などについて学び、技能を身に着けることができます。

建築板金とは、建物に使われているダクトや、金属の板で作られている外壁や屋根などをいいます。建築板金技能士の資格では、建築板金の加工方法や工具の使い方、材質の特徴や図面の読み方などを学ぶことができます。
板金加工は多くが機械を使って行いますが、建築板金は板金はさみを使う場合があるなど、どちらかというと手先の技術を必要とすることが多いようです。

板金の資格って役に立つ?メリットは?
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工場板金技能士の資格は特級、1級、2級、3級があります。
工場板金加工の仕事に就くのに必須の資格ではありません。しかし資格を取得していることで、専門的な知識や専用機械の使い方、安全面の知識などを学び身に着けているとみなされます。そのため、就職活動時や転職活動時に自分のスキルをアピールできます。また、特級は非常に難易度が高いですが、その分マネジメントなどを目指す人向けの知識や技術を得ることができます。そのため、昇格や昇進のアピールとなります。またお客様にとって工場板金技能士の資格をもっているということは安心と信頼につながります。
建築板金技能士の資格は1級、2級、3級があります。
技術力を身に着けることができ、就職活動時の有力なアピールとなります。また、外壁や、屋根などを作った場合には建物の外観になり、多くの人の目にとまるため、達成感ややりがいを得ることができます。資格を有していることでお客様から信頼を得ることができ、注文を受ける可能性もあがるでしょう。
どちらの資格も、学生時代に取得していれば就職活動時にアピールとなります。また社会人になってから難易度の高い級を取得できれば、知識や技術を教える立場になった時にも役にたちます。

板金の資格を取得するにはどうすればいい?
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工場板金技能士は実技試験と学科試験があります。
特級では1,2,3級の範囲に加え、工程管理や作業管理の内容が出題され、管理職、リーダー向けの知識も学んでおく必要があります。品質管理や原価管理なども出題され非常に多くの関連する知識を必要とします。1,2級は実際に加工をする人向けの専門的な知識を必要とし、3級は工場板金に関連する基本的な内容となります。

建築板金技能士は実技試験と学科試験があります。
1級が上級技能者、2級が中級技能者、3級は初級技能者向けとなります。出題範囲は加工方法や工具の使い方、図面の読み方や材質の特徴などです。実技では実際に板金加工を行います。

工場板金技能士、建築板金技能士ともに3級は実務の経験が不要のため受験しやすいです。そのほかの級では実務経験が必要な場合が多いです。最終学歴によって必要な実務経験が異なるため、詳細は各資格解説記事を参照してください。

どちらも各都道府県職業能力開発協会で申し込みをすることができます。各都道府県によって申し込み方法が異なっている場合があるため、ウェブページで確認しましょう。前期は8月末~9月初旬、後期は1月末~2月初旬に開催されます。

まとめ

板金加工の資格である工場板金技能士と建築技能士について紹介しました。
どちらも自らの手でモノづくりをするための技術と知識を獲得できる資格です。たくさんの機械や建物に板金が使われており、今後も板金加工の仕事がなくなることはないでしょう。実際にモノづくりを何度も経験することで達成感を得られるとともに、自分のスキルアップも実感できやりがいも増していく仕事です。勉強せずに簡単に取得できる資格ではありませんが、資格取得を目指して勉強することで、さらに技術が磨かれ、そしてお客様へ素晴らしい製品を届けることができるようになっていくでしょう。

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