2020.11.04

電気工事士には受験資格ってあるの?一種と二種の違いは?

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はじめに

私たちの身近にあり、必要不可欠となった電気。電気工事士は生活のインフラを守る重要な資格になっています。一般的な住宅、マンション、店舗、大型ビル、病院、工場など、ありとあらゆる建物に電気工事はされるため、仕事がなくなることはなく、どんどん需要が高まっています。今回はそんな「電気工事士」をどんな人が試験を受けているのか、資格内容を解説します。

電気工事士資格は年齢・性別・国籍関係なく、誰でも受験できる国家資格!
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電気工事士は、電気周りの危険な作業も行うため定められた国家資格ですが、試験に必要な受験資格はありません。実際の試験を受けている年代も、10代~60代まで幅広く受験しています。また、受験資格の制限がなく誰でも受験することができるため、外国人でも日本語のみですが、試験を受けることができます。女性も手に職がつけるため、受験する方もいます。
平成30年度電気技術者試験受験者実態調査によると、電気技術者試験の中でも、第二種電気工事士は学生の受験者が最も多く、また年2回試験があることから、上期・下期2回とも試験を受けている人も多いようです。逆に第一種電気工事士は受験する人がすでに働いていることが多く、受験者の勤務先の多くが「電気工事会社」で「資格に必要な職務についている」人が大半のようです。
電気工事会社は、電気工事士の就職先の中でも主流な場所で、会社の規模によって業務の範囲が異なります。小規模な会社であれば、住宅や店舗の電気工事が中心になり、室内の配線や電気スイッチ・コンセントの配置、エアコンの取り付け工事を行います。一般家庭の家電製品の取り付けについても、感電の恐れがあるため、有資格者でなければ安全に作業ができません。大きな建物の屋外で作業するなど、電気工事士にはタフさも必要ですが、エアコンや家電取り付けに関しては、女性の電気工事士が活躍している場面もあります。

電気工事士 一種・二種の違いは?実務経験が必要?

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違いは「電気工事できる範囲」です。
第一種電気工事士は、自家用電気工作物で最大電力500キロワット未満の需要設備の電気工事をすることができます。第二種電気工事士は、一般用電気工作物であれば電気工事作業をすることができます。よって、第一種電気工事士は、第二種電気工事士の作業範囲を兼ねることができます。電気工事が必要な仕事は、小さなコンセントから病院や鉄道といった大型施設まで幅広く、第一種電気工事士が電気工事のスペシャリストと呼ばれる理由がわかりますね。
さらに、電気工事士資格は受験資格に制限はありませんが、第一種電気工事士の免状発行には実務経験が5年以上必要となります。

●第一種電気工事士の免状取得条件
1.電気工事の実務経験5年以上
2.電気工事士の実務経験3年以上+大学または高等専門学校で所定の課程を修め卒業していること
電気工事の実務経験として認められる作業も以下の3種類ほど、と限られています。

●実務経験として認められる電気工事
1.一般用電気工作物での実務 ⇒ 第二種電気工事士の免状を取得後の、電気工事
2.自家用電気工作物での実務(最大電力500kw未満)⇒認定電気工事従事者認定証を取得後の、簡易電気工事
3.自家用電気工作物(最大電力500kw以上)あるいは電気事業用電気工作物での実務  ⇒大規模な工場やビル、高圧で受電する発電所などの電気工作物の設置・変更の工事

第一種電気工事士資格を取得するのは、より難易度の高い電気工事作業を行えるため、実務経験は必須ということです。

電気工事に関するほかの資格は?
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「電気工事士」以外にも、建物電気工事現場で活躍している資格はたくさんあります。電気工事士資格より上級の資格として、「電気主任技術者」「電気工事施工管理技士」の2つがあります。
「電気主任技術者」は発電所や変電所、工場や商業ビルなどに設置されている受電設備や配線など、電気設備の保安・監督を行うことができる国家資格です。第一種~第三種まであり、第三種からチャレンジしてさらなるステップアップを目指しましょう。
「電気工事施工管理技士」は電気工事の施工計画の作成、工程・安全・品質の管理を行い、電気工事の監督ができる国家資格です。一級と二級があり、できる仕事の規模が違います。電気工事の管理業務を担当したい人や、独立・企業を目指す人にとってはなくてはならない資格となります。
かに電気工事士の特殊な事例として、消防設備士 甲種4類 電工科目免除があります。「消防設備士」はその名のとおり、消防用設備の設置工事やその設備の点検、整備を行うことができます。誘導灯の設置など、電気工事をともなう作業を行うため、一部試験科目が電気工事士資格で免除することができます。

まとめ

電気工事にかかわる仕事はたくさんあります。その中でも現場で安全に、適切に電気工事作業を行うためには、高度な知識・積み重ねた経験が必要になります。「電気工事士」はその技術を保証する国家資格です。電気の仕事で働いている人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。