2020.12.23

高所作業車の運転に免許がいらないって本当?資格は必要?

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はじめに

トラックからバスケットが伸び、その上で人が作業している姿を1度は見たことがあるのではないでしょうか? じつは、その作業をしている方たちは専門資格を修了した高所作業のスペシャリストなんです。高所での作業は危険がともない、誤った操作をすると車両の転倒もありうる危険な業務です。そんな高所作業を行うための資格を2つ紹介します。

高所作業車運転者はどんな仕事ができる?

高所作業車とは、特殊な車体からバスケットを自動で昇降させる便利な工事車両です。バスケットを利用するため高い所での作業がやりやすくなります。建築関係では配管工事や、外壁や屋根の施工作業、塗装作業などに使われます。ほかにも街路樹の手入れや、照明器具の交換、補修、窓ガラスの交換、清掃などにも使われます。活躍するシーンは多く、操作できる人は現場でも重宝されます。しかし自動車運転免許とバスケットの操作資格は別ですので注意が必要です。

高所作業車の業務に必要な資格2選
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高所作業は昔から危険のつきまとう仕事内容でした。とくに高い場所では、持ち運び可能な一般的なハシゴは不安定になり、転倒などの危険性も増します。そこで登場したのが高所作業車です。従来の一般的なハシゴと異なり、安定しているうえ、移動できるため、効率よく作業できます。しかしやはり高い場所での作業には危険がともないます。そこで安全に高所作業車を運用できるように、資格制度が設けられることになりました。高所作業で使用できる資格は「高所作業車技能講習」と「高所作業の運転の業務に係る特別教育」の2種類です。2つの資格の違いは作業床(作業者が乗るバスケット)の高さです。特別教育は作用床が2m以上10m未満の高所作業車の運転です。高所作業車運転技能講習は作業床の高さが10m以上の高所作業車の運転が可能となります。高いものでは40mほどまで伸びる作業車も存在します。希望する職種や内容にもよりますが、技能講習を修了しておくと、さまざまな高所作業車運転に対応できるため、できる業務の幅も大きく広がってくるでしょう。

高所作業車の種類を紹介

高所作業車には、使用する現場によってさまざまな車両が存在します。昇降機が高く伸びるものもあれば、安定力を重視した車両もあります。また小回りがきき、素早く倉庫を駆け回る車両などもあります。動力や昇降機構もさまざまですが、走行方法で分類すると次のようになります。

・自走式
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自走式とは昇降装置に自走できる機能が備わった車です。自動車ではないため、公道を走行することはできません。小型なため、小規模な建設現場や室内での高所作業に重宝されます。

・トラック式

一般的に最もよく目にする高所作業車でしょう。その名の通り、トラックと高所作業機能を持った昇降機が組み合わさった車両を指します。トラック自体の大きさにより、さまざまな能力の昇降機が搭載できるのが特徴です。また一般道を走行することができるので、現場ごとに移動して作業を行えます。電気の工事や標識のメンテナンス、街路樹の整備など非常に多くの現場で活躍します。路面が悪い場合や、せまい場所での作業には向きません。

・タイヤ式

自走式によく似ていますが、走行機と昇降機が分かれています。一般道の走行はできないので、現場まで運ぶ運送費がかかります。走行音が静かで小回りがきき、作業床を傷つけないのが利点です。

・キャタピラ式

ブルドーザーや戦車に利用されるキャタピラ式(クローラ式)の走行機構をもった昇降機です。トラック式、タイヤ式に比べ、安定感が高いのが特徴です。不整地でも作業でき、アスファルトや、コンクリートで舗装されていない軟弱路でも使用できます。一般道の走行が難しく運送費がかかることや、小回りが利きにくい点がデメリットです。

高所作業車を操作して活躍するには

高所作業車の運転資格は昇降機を操作するための資格ですが、昇降機を操作して高所で作業を行うために取得する場合がほとんどです。昇降機の操作のみを行うケースはあまりありません。活躍場所は幅広く、建設会社や造園、電力会社、清掃業者など多数です。少しめずらしいものでは航空機の整備や、テレビや映画撮影のときにも利用されます。必然的に高い場所で作業することが多くなるので、高いところが平気な人に向いています。また重機を操作するので、機械の操作や運転が好きな方におすすめです。どちらの資格でも、講義をしっかり受けていれば合格しやすいでしょう。取得にかかる費用は、特別教育受講で約15,000円、技能講習受講で約40,000円です。再就職や転職にも有利な資格で活躍の場を広げていくことが可能です。

まとめ

高所作業は非常に幅広い分野に活躍のチャンスがある資格です。また、講義と実技の受講で資格を取得できるため、取得しやすいのも魅力です。気になる方はこの機会に高所作業資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?