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工場勤務者が取るべき資格は?難易度から平均年収まで徹底解説!

工場の求人を探していると、求めている人材の中で「資格」や「免許」について触れている企業が多いことに気がつきます。工場での仕事をするときには、資格や免許の存在が有利に働くこともあるのです。今回は、工場内のお仕事で資格をもっていたほうがいい理由や、取得しておくと便利な資格について紹介します。工場で働くことを考えている方や、工場勤務でどんな資格を取ればいいかわからないという方は、ぜひ参考にしてください!

【目次】

■工場で働くときに資格を取得したほうがいい4つの理由とは

・スキルアップにつながる

・昇給する

・転職しやすくなる

・資格必須の職種で働ける

■資格を選ぶときの4つの考え方

・実際の業務に役立つ資格か?

・キャリアを広げられる資格か?

・国家資格か?民間資格か?

・難易度が高すぎないか?

■工場の現場で使える資格を4つ紹介

・フォークリフト運転技能者

・玉掛技能工

・クレーン運転士

・溶接技術者

■仕事の幅を広げられる資格を5つ解説

・マイクロソルダリング(微細はんだ)技術者

・電子機器組立技能士

・危険物取扱者

・CAD利用技術資格

・電気工事士

■【管理職向け】キャリアアップにつながる資格4つとは

・衛生管理者

・機械保全技能士

・有機溶剤作業主任者

・特定化学物質等作業主任者

■資格を取得するなら資格支援制度の活用がおすすめ

■資格を取ってキャリアアップを目指そう!


工場で働くときに資格を取得したほうがいい4つの理由とは

資格をもっていると、収入アップや昇進の可能性が高くなるため、工場勤務者の中には資格をもっている方も多く見られます。資格を取ることで、以下のようなメリットがあります。

  • スキルアップにつながる
  • 昇給する
  • 転職しやすくなる
  • 資格必須の職種で働ける
スキルアップにつながる

資格勉強を通じて知識を習得する点で、自身のスキルアップにつながるというメリットがあります。講習を受けるスタイルであれ、筆記・実技試験を受けるスタイルであれ、資格を取るためには勉強が欠かせません。

資格を取得する過程で、知識や実技を身につけられるため、勉強をするだけでもスキルの向上につながります。また「合格する」という明確な目標がので、スキルアップのモチベーションにもつながってきます。
資格取得は、専門分野を集中的に勉強する手段としてうってつけです。

昇給する

資格を得ることで、無資格者にはできない仕事を任せてもらえるため、そのぶんお給料が上がる可能性があります。

工場では「資格手当」が導入されていることが多いので、資格を取ることで収入を増やせるかもしれません。
また、作業者だけではなく、作業監督者に必須の資格もあります。管理職としてキャリアアップするために有利な資格を取っておけば、更に収入の増加が見込めます。

転職しやすくなる

有用な資格を取得しておくことで、転職先の選択肢を増やせます。今の職場では使わない資格でも、別の会社では有資格者であることが評価されるかもしれません。

資格は、一定の知識や技能をもつ証明にもなるので、面接の場で即戦力としてアピールできます。また、今の待遇に不満や不安をもっている場合は、待遇改善の1つの手段として資格取得を目指すという方法もあります。

資格必須の職種で働ける

工場の仕事は、資格・免許がなければ従事できない仕事もたくさんあります。

電気工事を行う場合は「電気工事士」、火災の危険がある原料を扱う場合は「危険物取扱者」など、職種によっては資格取得が必要不可欠であることも。

また特定の職種では、資格をもっていることを採用条件にしている会社もあります。資格を取ることで、特定の職種への転職もしやすくなるのです。

資格を選ぶときの4つの考え方

資格の勉強に使える時間は限られているので、自分にとって取るべき資格を選ぶ必要があります。工場系のお仕事で使えそうな資格を選ぶときには、以下の4点に注目しましょう。

  • 実際の業務に役立つ資格か?
  • 仕事の幅を広げられる資格か?
  • 国家資格か?民間資格か?
  • 難易度が高すぎないか?
実際の業務に役立つ資格か?

資格取得を目指す場合には、それが業務で活かせる資格かどうか、業務範囲を新たに広げられそうな資格かどうかを考えてみましょう。

「面白そう」「興味がある」などの漠然とした理由で資格勉強をスタートしてしまったら、いくら時間があっても足りません。実際の業務に関わる資格でなければ、日々の仕事で役に立ちにくくなってしまいます。

キャリアを広げられる資格か?

資格を選ぶなら、今後のキャリアについて考え、そのキャリアに役立つかどうかも考えましょう。

キャリアのために資格を取得するのはよいことですが、今後のキャリアに影響しないような資格を取ってしまえば、取得にかかった時間やお金がムダになってしまうからです。
「この資格で収入アップが狙えるか?」「昇進につなげられるか?」という視点でも検討してみましょう。

国家資格か?民間資格か?

資格は、国家資格と民間資格に分けられます。

国家資格は、有資格者以外の作業を禁じる「業務独占資格」や、事業所に必須の「設置義務資格」などが多く、民間資格と比べると需要が高い傾向があります。

逆に民間資格は、民間団体や企業が独自の基準を設け、任意的に認定する資格です。「看護師」や「保育士」など資格によっては就職・転職に有利になりますが、自身の工場関連のスキル・技能を証明するなら国家資格が向いています。

難易度が高すぎないか?

どんな資格でも、一定期間は勉強をする必要があります。しかし、資格の難易度が高すぎると、勉強に時間がかかってしまい、キャリアアップが遅れてしまうかもしれません。

難易度の高い資格の中には、試験範囲が広いために、勉強時間の目安が千数百時間というものもあります。「それほどの時間をかけて取得するべき資格か?」もしっかりと吟味する必要があります。

では、具体的にどのような資格を選べばいいのでしょうか。以下からは、おすすめの資格を「工場の現場で使える資格」「仕事の幅を広げられる資格」「キャリアアップにつながる資格」に分類してご紹介します。

工場の現場で使える資格を4つ紹介

工場の現場では、有資格者や特別教育・技能講習を受けた人にしかできない作業があります。工場では、以下のような資格があげられます。

  • フォークリフト運転技能者
  • 玉掛技能工
  • クレーン運転士
  • 溶接技術者
フォークリフト運転技能者

荷物の運搬に使われるフォークリフトを運転するには、操縦するフォークリフトの最大積載荷重量に応じて、特別教育や運転技能講習を受ける必要があります。

資格がなければフォークリフトを操縦できないため、大きな荷物を運搬する物流業界、製造業界、鋼鉄業界でニーズが高い資格です。

フォークリフトのお仕事一覧はこちら

玉掛技能工

クレーンのフックに荷物を掛けたり、外したりする作業を「玉掛け」といいます。数トンもの重い荷物を安全に運ぶために荷を固定する役割を担っているので、ひとつ間違えれば重大事故につながりかねません。
そのため、一定の重さ以上の玉掛けには資格が必要になります。

玉掛けをするクレーンの吊り上げ荷重に応じて、特別教育や技能講習が設けられています。

クレーン・玉掛けのお仕事一覧はこちら

クレーン運転士

重い荷物を吊り上げるクレーンを操縦するためには、クレーンの種類と吊り上げ重量に応じた免許が必要です。
また、玉掛けをしたらクレーン運転士に荷物を運んでもらわなければならないので、玉掛けの免許とクレーンの免許は両方必要になるケースがほとんど。

玉掛け免許をもっている場合は、クレーンの免許も併せて取得しておくのがベストです。

クレーン・玉掛けのお仕事一覧はこちら

溶接技術者

熱や圧力を使って接続部を接合する作業を「溶接」といいます。資格がなくても溶接作業はできますが、安全に溶接するためには知識と技能が不可欠であるため、ほとんどの人が資格取得を目指すことになります。

溶接の種類や方法によって資格が異なるので、現場に合わせて資格を選ぶことが重要です。溶接の仕事をしたことがない方、何を勉強したらいいかわからない方は、まずは基本となる「アーク溶接作業者」がおすすめです。

溶接のお仕事一覧はこちら

仕事の幅を広げられる資格を5つ解説

資格があれば更に業務範囲を広げられます。以下は別業界・別業種への転職に有利だったり、昇進の足掛かりになったりする資格です。

  • マイクロソルダリング(微細はんだ)技術者
  • 電子機器組立技能士
  • 危険物取扱者
  • CAD利用技術資格
  • 電気工事士
マイクロソルダリング(微細はんだ)技術者

数mmや数cmの微細な部品をはんだ付けするマイクロソルダリングは、パソコンやスマートフォンをはじめ、家電、自動車、電車、飛行機など、生活を支える精密機器の組み立てに欠かせない技術です。

実務経験がなければ取得できない資格なので、未経験者を採用して研修を行う工場も多いという特徴があります。電子機器の進歩とともに、マイクロソルダリング技術を使う仕事の幅はどんどん広がっています。

電子機器組立技能士

電子機器組立技能士は、電子機器の組み立てや修理に関する国家資格です。

3級から始まって2級、1級、特級という順番で専門性が高くなります。「特級」にはマネジメントや計画立案などの作業試験も含まれるので、ゆくゆくはキャリアアップを目指したいという方にも向いています。

特級を取得しておけば、マネジメントや計画立案の仕事にも従事しやすくなるため、昇進の可能性も高くなります。

危険物取扱者

火災の危険がある化学薬品や原料を扱うために必要な国家資格です。
有資格者の立ち会いがあれば資格なしでも危険物の取扱いはできますが、業務範囲が限られます。自分自身で危険物取扱者を取っておくと仕事が円滑に進みます。また、危険物取扱者には資格手当がつくことが多いので、資格をもっていれば収入アップも見込めます。

なお、危険物取扱者は8種類もの資格があるため、業務で扱う危険物に即した資格を取る必要があります。

CAD利用技術資格

設計・製図システム「CAD」の取扱いに関する資格です。資格がなくても製図はできるので、作業には困りません。この資格は、CADを使いこなすための基本的な知識を有している証明として使うことになります。

CADは建築、福祉、アパレル、ジュエリーなど幅広い業界で活用されている技術なので、ほかの業界に転職したいときにも有利です。

電気工事士

電気工事士は、電気工事を行う際に必要となる国家資格です。電気には火災や感電の危険があるため、一定の資格をもつ人でなければ電気工事を行ってはいけないと定められています。

電気工事士になると、建物の電気配線や機器の据付工事・交換・メンテナンスといった幅広い仕事に就けるので、いずれ手に職をつけたいと考えている方にはぴったりの資格です。

【管理職向け】キャリアアップにつながる資格4つとは

最後に、現場の指揮を執る人や管理職がもっていると有利な資格をご紹介します。キャリアアップにつながる資格は、以下の4つです。

  • 衛生管理者
  • 機械保全技能士
  • 有機溶剤作業主任者
  • 特定化学物質等作業主任者
衛生管理者

衛生管理者は、作業環境の衛生管理や労働者の健康管理を行う担当者のこと。

労働安全衛生法で定められた国家資格で、事業所ごとに一定の衛生管理者を置く義務があります。衛生管理について権限が得られる上、事業所に欠かせない存在になるので、役職が上がる可能性は高くなります。

機械保全技能士

機械の修理やメンテナンスなど、保全業務に関する資格です。故障や不具合を未然に防ぐために生産ライン全体の点検を行う立場なので、製造現場の管理職になれる可能性も高くなります。

電気工事士をもっていれば電気系保全作業の理解もしやすく、機械の据え付け・交換もできるようになるため、電気工事士と一緒にチャレンジすることを推奨します。

有機溶剤作業主任者

物質を溶かす液体を「有機溶剤」といい、自動車整備士、塗装工、化学工場などで用いられています。有機溶剤作業主任者は事業者から選任され、作業内容の決定、現場管理、取引先との対応などを任されます。

用途は限られますが、有機溶剤を扱う会社は、資格取得者を必ず配置しなければならないので、重要度の高い資格といえます。

特定化学物質等作業主任者

ガン・皮膚炎・中毒症状などを発症させるおそれのある「特定化学物質」を扱う事業所に対して設置義務のある国家資格です。特定化学物質等作業主任者は、労働者が化学物質に汚染されないように守り、作業を指揮する責任者となります。

「特定化学物質」という特殊な響きですが、一酸化炭素やアンモニアなど、工場で使われている物質も多く含まれています。「特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習」を受けることで取得できるため、これから工場で働こうと考えている人もチャレンジしやすい資格です。

資格を取得するなら資格支援制度の活用がおすすめ

もし資格取得を目指すのであれば、資格支援制度を設けている会社を選ぶというのも1つの方法です。
資格支援制度とは、会社が業務上必要な資格取得をサポートしてくれる福利厚生のこと。労働者のスキルアップを支援することで、業務効率化や生産性向上をはかる目的で取り入れられています。

教材費用・学費・試験費用の補助、資格取得に対するお祝い金の支給など、どのような形で資格支援をするのかについては、会社によって異なります。

工場系の求人では、資格支援制度を設けている事業所も多く、未経験から資格取得までサポートしてくれる事業所が多い傾向にあります。
資格支援制度があれば、求人票に「資格支援制度」について必ず記載されています。働きながらの資格取得や転職を検討している方は、資格支援制度のある求人を探してみてください。

「はたらくヨロコビ」は、未経験の方や女性の方に向けた求人をメインにご紹介する求人サイト。資格支援制度のある求人も取り扱っています。資格を活かして働きたい人も、これから資格取得を目指す方も、「はたらくヨロコビ」の情報をぜひチェックしてみてください。

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資格を取ってキャリアアップを目指そう!

工場では、資格取得が給与アップや昇進につながることもあります。しかし、やみくもに資格を取ればいいわけではありません。

まず、業務で実際に使える資格や、業務の幅を広げられるような資格を探してみましょう。新しい分野の資格にチャレンジするのであれば、有資格者のニーズがどれだけあるか調べることが大切です。

また、勉強に時間がかかりすぎると、キャリアアップが遅れてしまうので、たっぷり時間をかけてでも取得したい資格かどうかを考える必要があります。
高難易度の資格に挑むのもいいですが、難しすぎない資格を短期間でいくつか取るのも1つの戦略でしょう。現在のお仕事や、今後やりたいお仕事を踏まえて、キャリアアップにつながるような資格を探してみてください。

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