2020.10.02

座学と実技で身につくアーク溶接の特別教育とは?

記事メイン画像
はじめに

車や船の部品、身近なものでいうと自転車のフレームなどをよくみると金属同士が一体となっているものが多いですよね。あれらは溶接という加工によってつなぎ合わされています。溶接の中で最も幅広く使われているアーク溶接について、アーク溶接の資格を取得するために必須となっている「アーク溶接 特別教育」について説明します。

アーク溶接 特別教育ってどんなもの?

アーク溶接に関わる資格は実は「アーク溶接作業者」といいます。厳密には資格ではなく、国によって定められている労働安全衛生法に基づいた講習を受けた人が取得する修了証をもっている人のことです。アーク溶接 特別教育とは、この講習のことを指し、アーク溶接作業を実施するためには必ず受講が必要です。
アーク溶接はアーク放電という火花を利用して溶接をする方法で、非常に強い光と高い温度を伴います。みなさんも一度はテレビや本で見たことがあると思います。仮面のようなもので顔をガードしながら火花がバチバチっと散って作業している方々、そう彼らがアーク溶接作業者なのです。
アーク溶接 特別教育では、作業方法、手順はもちろんのこと安全に実施するための知識を、学科と実技を通して学んでいきます。

アーク溶接 特別教育を受講する人はこんな人たち
記事画像

アーク溶接 特別教育は、18歳以上であればどなたでも受講できます。自動車の一部を自分の手で作ってみたいという工業系の学生や、企業に就職後に配属された現場でアーク溶接をすることになった方も多いでしょう。アーク溶接はモノづくりにおいては船や建設機械など様々な製品でも使われています。アーク溶接 特別教育はこれから自分の手でモノづくりしたいと考える人におすすめします。

アーク溶接 特別教育を受講することでできる業務って?

アーク溶接 特別教育を受講すると修了証を取得できます。生産現場でアーク溶接作業をするにはこの修了証が必要です。アーク溶接は自動車や船の部品、そのほかにもいろんな金属部品を作ることができます。テレビなどでのイメージがある、顔をガードして火花がバチバチっとなっている作業ももちろんありますし、半自動の溶接装置もありますので、自動機を使った業務もすることがあるでしょう。
溶接は業務依頼を受けるときに、溶接方法など細かい仕様を調整して整合していくこともあります。また、将来的には関連するほかの資格を取得していき、業務管理、監督、計画立てを任されることもあるでしょう。

アーク溶接 特別教育を受けるメリットは?
記事画像

アーク溶接特別教育を受講すると、溶接に関わる仕事をするうえで最もたいせつな安全面に関わる知識を得ることができるメリットがあります。
溶接関連の資格はさまざまな種類があります。アーク溶接、ガス溶接などの作業者として必要な資格から、溶接管理技術者や溶接作業指導者などの管理職に繋がるような資格もあります。すべてにとって最もたいせつなことは安全に仕事をするということでしょう。アーク溶接は放電現象を利用して溶接を行います。火花もちりますし、非常に高い温度を金属にかけていくため、正しい使い方などの知識がないと危険が伴います。企業によっては、安全面の認識を従業員にさせるためにまずアーク溶接特別教育を受講させる場合もあるようです。アーク溶接特別教育を受講して、修了証を得たら、晴れてあなたも溶接作業者となれるでしょう。

アーク溶接 特別教育はどうやって勉強すればいい?

アーク溶接 特別教育を受講し、修了するにはどのような勉強が必要でしょうか。
特別講習では基本的な内容が多く、確認テストに出題される内容も当日講師の方が説明してくれるため、事前の勉強がなくても合格できることが多いです。
講義中によく話をきいて理解するだけで問題ないでしょう。不安な方はアーク溶接関連の市販のテキストで勉強をしましょう。
実技では、手動の溶接装置や半自動溶接装置など、アーク溶接装置の取り扱いを学ぶことになります。また、非常に重要な安全面の講義、実技も受けることになるでしょう。

溶接資格の他の資格

溶接の種類には、アーク溶接のほかにガス溶接やはんだ付けなど多数の資格があります。
ガス溶接はアーク溶接と同じくメジャーな資格です。また、ガス溶接資格を取得するためには、アーク溶接 特別教育と同じようにガス溶接技能講習を受講する必要があります。
詳しくは「溶接の資格はたくさん。どんな種類があるの?」にまとめてあります。

まとめ

アーク溶接作業者は、これから溶接に関わる仕事をしたい方にとっての第一歩となる資格で、アーク溶接 特別教育を受講することで取得できます。専門的な深い知識を必要としないため、簡単に取得できるでしょう。溶接に関わる仕事をすると、ゆくゆくは自動車など、自分の手で作られたパーツが使われているものを完成品としてみるときが来るでしょう。大きな感動と達成感を得られるのでぜひ挑戦しましょう。