INTERVIEW 私×働く喜び

想像を超えた角度からの
仕事ができる、
未来が待っている。

自分よりも周囲が 喜んでくれることがモチベーション。

ー俳優として活躍されている中村さんですが、社会人としてのスタートを切ったのはいつですか?

雑誌のオーディションで賞をいただいたのがキッカケでこの世界に入り、最初の仕事は舞台でした。
オーディションを受けたのは、父のすすめでした。父は脱サラして自営業をしていたので、僕も小学生のころから時々その手伝いをしていたんです。ですが、言われたことはやるけど、次の仕事は何?と聞いたり、自分から仕事を見つけたり、そういうことは一切やらない、受け身な子だったんです。

そんな自分を見て、父も心配になったのではないでしょうか(笑)。何もできないし、具体的な夢もなさそう。だったら、こんなオーディションがあるけど受けてみないか?とすすめられました。

ーそこから15年もこの仕事を続けていらっしゃいますが、どこにやりがいを感じたのでしょうか?

自分は昔から変わらないでいるのに、人に見られる仕事をして、自分のことを好きだと言ってくれる人がいる、というのは未だに不思議な感覚です(笑)。僕は得意なことが、昔からあまりないんです。サッカーをしていたのですが、監督から「お前は悪いところはないけど、コレという秀でたものがないからダメだ」とよく言われていましたが、すべてにおいてそんな感じでしたね。勉強もスポーツも、すごく悪くはないけど、良くもない。そこが自分の欠点だということも、わかっています。
だからこそ、出演した作品を見た人から「勇気づけられました」「次も楽しみにしています」と言われると、こんな自分でも人に影響を与えられると思い、すごくうれしいです。自分が存在する意味があると思えて、この世界に入って良かった、とやりがいを感じます。
また、初舞台の時から感じているのですが、共演者とスタッフと一緒にひとつのものを作る世界は、すごく素敵だと率直に思います。どんなに大変なことがあっても、それを理解したり、共感したりしてくれる人がいて成立する仕事です。

ーでは、どんな時にこの仕事がつらいと思いますか?また、どう乗り越えているのでしょうか?

この仕事の難しいところは、現場ごとに「良い」とされるものが違うことです。前の現場ではこのやり方が良かったけど、次の現場ではダメ、ということはよくあります。相方も先生もいなくて、結局は一人でやらなくてはならない仕事なので、そこをつらいと感じることもあります。
それでも、良い作品に携わると、楽しみにしてくれている人がいたり、家族やスタッフさんが喜んでくれたりします。僕は自分自身が楽しいと思うよりも、周りが喜んでくれることにやりがいを感じるタイプです。芝居が好きで好きで入ってきたわけではないこともあって、自分よりも周りの喜びをモチベーションに変えています。

不安や緊張を排除せず、 受け入れてエネルギーに転換する。

ーもし、この仕事をしていなかったら、どんな仕事をしていると思いますか?

それは、周りの共演者の方々とよく話題になります(笑)。他の人たちは、違う仕事のイメージがあるみたいなのですが、僕にはないんですよ。自分には他に何ができるんだろう?と考えるのですが、そのイメージが浮かばない(笑)。
この仕事は先の保証もないですし、どんどんふるいにかけられていく中で、いつ自分がその網目から落ちてしまうんだろう?と考えると不安に思いますが、15歳からこの世界に入って、他に何もできません。だから、ひたすらやるしかない、と強い覚悟を持つ方向に考えるようにしています。

ーターニングポイントになった人との出会いや仕事はありますか?

藤竜也さんと共演させていただいたとき、藤さんが「今でも演じるときに不安はあるし、緊張もする」とおっしゃっていました。藤さんは大ベテランの役者の方ですが、「こんなにすごい方なのに、不安も緊張もあるんだ」と気づいて、自分なんか足元にも及ばないキャリアなのだから、不安も緊張もあるのは当然、と思えるようになりました。

それまで不安や緊張はネガティブなもので、できるだけ排除しようとしていましたが、それを受け入れてエネルギーに変えようと、発想を転換できました。表現するために必要な道具として、不安や緊張を有効活用しようと思えたのは、大きな転機だったと思います。
仕事面では、昨年のNHK朝ドラ「エール」は大きかったです。コロナ渦があり、それを乗り越えて無事に終了できたことだけでも、すごい仕事だったと思います。朝ドラは見てくれる人も多く、いろいろな人から声をかけられることが増え、自分が存在する意味を感じられた作品でした。

Aoi Nakamura × Hataraku Yorokobi =

小さなこだわりを捨てて、 シンプルに仕事と向き合う。

ー仕事をする上でのこだわりはありますか?

最近は良い意味で、小さなプライドやこだわりを排除してシンプルに仕事に向き合えるようになりました。
先ほどもお話しましたが、僕は自分のためではなく、人のためになる方が一生懸命になれる。今は、家族もいるので、より明確に覚悟が強くなる存在ができて、いらないプライドを削いで仕事をしています。こだわりはもちろん持たなくてはいけないのですが、それが過剰になると時には邪魔になることもあると思っています。

ー仕事をする上で気をつけていることは?

俳優の仕事は変わっているとは思いますが、あまり特別な仕事だとは思わないようにしています。褒められることも多いですし、チヤホヤされる一面もありますが、それを真に受けて自分はすごいと思わないようにしています。うれしいですけど、素直に飲み込まないようにしています。
僕はどの仕事もとても大変だと思っていて、会社勤めやその前の就職活動も、できる人はすごい。僕はアルバイトもろくにしたことがないし、自分を分析して自己アピールするなんて、とてもとても無理です(笑)。コロナ渦で自粛生活になったときも、配送業などリスクがありながら生活を支えてくれている人がいてこそ、楽しく巣ごもりができたわけですよね。本当に僕はただの役者で、他にすごい仕事はたくさんあると思います。

想像を超えた角度からの仕事ができる、 未来が待っている。

想像を超えた角度からの 仕事ができる、 未来が待っている。

脱東京はすごく意識しています!東京を離れられるなら、離れたいですね。ただ、この仕事は東京にいないと難しいので、今は脱東京は非現実的ですが、たまに作家さんなどで地方に住んでいる人の話を聞くと、とてもうらやましくなります。
僕、東京は好きなんですよ。いろいろなものがあるし、刺激もあって楽しい。ですが、東京にいると、仕事のことを考えてしまいます。地方で撮影があったり、福岡の実家に帰ると、東京とは違うゆったりした空気が流れていて、自分に余白ができる感覚があります。この余白があったほうが、その空いたスペースにいろいろと吸収できますし、仕事に向き合ったときの集中力も高まる気がします。
今は、仕事や住まいの選択肢が増えている時代なので、どこで働くか、どんな仕事をするか、自由に選べると感じています。僕もいつかは東京を離れて、いろいろな選択肢から選んでみたいですね。

ー振り返ると、わずか15歳から15年も同じ仕事を続けていらっしゃるのはすごいことだと思います。

毎年、この1年はどんな仕事をやっていこうか、こんな年にしたい、と考えるのですが、それが全然そのとおりにならないんですよね。いつも想像を超えたことが起こっています。まったく想像もしなかった方面からの仕事の依頼が来たり、今までまったく接点のない人と一緒に仕事をできたり。
これからも、まったく考えてもいない角度からの仕事ができる、そんな未来が待っているかも、と思えるので続けられています。

ー確かに、予測できない未来が待っていると思うと、当たり前に見える日常がワクワクするものになりますね!では最後に、転職を考えている人に向けて、メッセージをお願いします。

僕は一度も転職をしたことがないので、実感として気持ちを理解できるわけではないのですが、転職は前向きで、明るい決断だと思います。今は選択肢の多い時代なので、もしも失敗しても次を選べばいいですし、もしかしたら新しい自分を見つけるターニングポイントになるかもしれない。積極的にチャレンジして大丈夫ですよ、と言いたいです。
どんな仕事でも、あなたが仕事をすることで、生活が潤う人がいたり、良い影響を及ぼしている人がいます。誇りと自信を持って、働いてほしいです。
これは、転職する方へのメッセージでもあるのですが、いつも自分にも言い聞かせています(笑)。

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中村 蒼なかむら あおい

俳優

来歴 2006年、寺山修司原作による舞台「田園に死す」で主演デビュー。
近年の主な出演作は、ドラマ『せいせいするほど、愛してる」 (’16/TBS)、『潜入捜査アイドル・刑事ダンス』(’16/TX)、『赤ひげ』シリーズ(’17・19/NHK BSプレミアム)、『命売ります』(’18/BSジャパン)、『悪魔が来りて笛を吹く』(’18/NHK BSプレミアム)、『夫のちんぽが入らない』(’19/Netflix)、『詐欺の子』(’19/NHK)、『浮世の画家』(’19/NHK)、映画『HiGH&LOW THE MOVIE 2 /END OF SKY』(’17)、『ポンチョに夜明けの風はらませて』(’17)、『空飛ぶタイヤ』(’18)、舞台『OTHER DESERT CITIES』(’17 熊林弘高演出)、『ふたり舞台「悪人」』(’18 合津直枝演出)、『お気に召すまま』(’19 熊林弘高演出)、『忘れてもらえないの歌』(’19 福原充則演出)など。
生年月日 1991年3月4日
出身地 福岡県
身長 175cm

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